抄録
320,000単位のビタミンD2を高脂肪食飼育の雄SHRに4日間投与することにより, 大動脈壁にはいわゆる Monckeberg 型の動脈硬化症が惹起された。大動脈周囲脂肪組織や脳硬膜下組織をはじめ全身性に著明な出血がみられた。ビタミンと同時に抗Ca剤 diltiazem (60, 2×60, および120 mg/kg/日) を7日間にわたって経口投与することにより, ビタミンD2誘発による血管病変ならびに出血の発現は阻止された。とくにdiltiazem (60 mg/kg) を1日2回投与した動物では防御効果はほぼ完全であった。