日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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モルモット腎初代培養細胞から分離されたヘルペスウイルスについて
鈴木 祥子福所 秋雄三浦 康男Ibarrondo Jaime Arias白井 淳資中村 政幸池田 澄雄
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1985 年 47 巻 5 号 p. 711-717

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抄録
1982~1983年に, メキシコで生産された一見正常で健康なモルモットの腎初代培養(GPK)細胞から, 細胞病原性を示す因子が分離された. この因子は, GPK細胞において, 好酸性核内封入体を形成し, その増殖はIUdRによって抑制され, DNA型のウイルスであることが示唆された. また, エーテル, クロロホルム及び酸に対して感受性を示し, 200nmメンブランフィルターを通過したが, 100nmのそれを通過しなかった. 電顕観察では, エンベロープをもつ球形ウイルス粒子が認められた. これらの性状は, ヘルペスウイルス群の性状と一致していた. メキシコで育成された3~4週齢モルモット46例中4例及び繁殖用モルモット30例中9例では, 分離ウイルスに対する中和抗体が検出されたが, 日本のモルモットその他の動物には, 中和抗体は検出されなかった.
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