抄録
豚パルボウイルス(PPV) 90HS株のSK細胞低温継代により樹立した弱毒HT-/SK株は, 増殖温度域マーカーを有し, 野生型親ウイルス90HS株と区別され, 90HS株および野外新鮮分離株320NA株とは血清学的に同一の抗原性を有していた。PPV抗体陰性の4か月齢豚および妊娠豚にHT-/SK株を接種したところ抗体産生がみられたが, ウイルス血症もウイルス排出も認められず, 同居感染も成立しなかった。これらの豚を野生株で攻撃すると, ウイルス血症とウイルス排出が完全に阻止された。野生株で攻撃した非免疫対照豚では異常仔の娩出がみられ, 死産胎仔からウイルスが検出されたが, HT-/SK株接種後に野生株で攻撃した妊娠豚では正常分娩がみられ, 初乳吸飲前の産仔の血清にはPPV抗体は検出されず, 胎盤, 胎仔感染防御が成立していた。