抄録
日本のレース鳩群に1983年から1984年にかけてニューカッスル病 (ND) が流行した。病鳩は神経症状と下痢を示し, 死亡率は発症鳩の13%であった。9鳩群から33羽の病鳥を収集し病理学的検査を行なった。肉眼的には共通病変は認められなかった。33羽のうち15羽, すなわち, NDウイルスが分離された10羽 (group1) およびウイルス分離を実施しなかったが赤血球凝集抑制 (HI) 抗体が検出されなかった5羽 (group2) に見られた組織変化は, 非化膿性脳脊髄炎のほかに, 脾・ファブリキウス嚢・胸腺のリンパ組織の萎縮または壊死, 脾炎, 腎炎, 肝炎であった。33羽中の他の18羽 (group3) ではHI抗体が検出され, NDウイルスは分離されず, 注目された病変は脾におけるリンパ組織の増生, 腎における濾胞状リンパ組織の増生および非化膿性脊髄炎であった。今回のレース鳩に流行したNDでは, NDウイルスの向内臓および向神経侵襲性が示唆された。