9種類の健康・病例動物およびヒトから分離されたコアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS) 226株について, Kloos & Schleiferの簡易同定法によって菌種分類し, ついでPulvererらのヒト由来Staphylococcus epidermidisファージセットを用いて, 型別を試みた。226株中109株 (48.2) %が1xRTDで型別でき, 宿主由来別の型別率はヒト60.0%, ウシ54.5%, ウマ50.0%, ブタ40.7%, イヌ100%, ウサギ53.8%, マウス100%, ニワトリ37.7%, ハト0%, ウズラ100%であった。型別された菌株のファージパターンは合計33であり, 最も多いパターンはPh5/Ph9/Ph10/Ph12/Ph13/U4/U14/U16/U20/U46 (64株) で, ついで15種すべてのファージに溶菌される株 (7株) であった。菌種との関連でみると, Phシリーズの5, 9, 10, 12, 13およびUシリーズの4, 14, 16, 20, 46はS. xylosus, S. simulans, S. epidermidis, S. cohnii, S. haemolyticus, S. capitis, S. warneriと多くの菌種に溶菌活性を示した。ファージPh6, Ph14, Ph15, Ph16, U15の溶菌域はS. xylosusとS. epidermidisの2菌種に限定されていた。また, 動物由来CNSの溶原株から分離した7ファージを, 226株に応用したところ, 27株 (11.9%) が型別されたにすぎなかった。しかし型別できた菌株は1株を除いてすべて動物由来のものであった。S. simulansおよびS. cohniiの溶原株由来ファージはそれぞれの菌種の菌株を溶菌する傾向を示した。
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