抄録
ウマ,ウシおよびイヌの末梢血リンパ球(PBL)幼若化反応におけるコルヒチン,ビンブラスチンおよびサイトカラシンDによる幼若化阻止効果について検討した.各PBLの幼若化反応は,3種の薬剤により完全に阻止された.微小管重合阻害剤であるコルヒチンまたはビンブラスチンによるウマおよびイヌPBLの50%幼若化回復濃度は,ウシPBLのそれよりも著しく低かった.一方,微小線維重合阻害剤であるサイトカラシンDを用いた場合,ウマ,ウシおよびイヌPBLの50%幼若化回復濃度は,各種動物PBL間で大差はなかった.これらの結果から,ウマおよびイヌPBL幼若化反応においてはウシPBL幼若化反応におけるよりも,微小管が深く関与していることが示唆された.