抄録
犬ヘルペスウイルス感染症診断のための, 感染細胞可溶化抗原を用いたELISA及び血清中和試験の改良法二法, すなわち補体添加マイクロプレート中和試験と補体添加50%プラック減数法を用い, 総数557の野外犬血清を対象とした抗体検索を行って, その成績を比較した. 補体添加マイクロプレート中和試験で陰性であった529例中119例がELISAで陽性であり, この結果と実験感染犬の経過血清中の抗体の推移とから, 補体添加マイクロプレート中和試験は特に感染初期における抗体検出にはELISA及び補体添加50%プラック減数法より感度が低いことが示唆された. ELISA及び補体添加50%プラック減数法によって得られた抗体価の間には相関がみられたが, 野外における抗体検索のためには, 所要時間及び労力の点から多数検体の処理に適したELISAが, 感度の高い血清診断法として推奨される.