日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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トキソプラズマ感染マウスの感受性とインターフェロン産生におよほすサイクロスポリンAの影響
白幡 敏一勝田 賢太田 千佳子後藤 仁
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1990 年 52 巻 2 号 p. 387-393

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抄録
トキソプラズマ(Tp)感染マウスにサイクロスポリンA(Cs-A)を投与し, 生存率とインターフェロン(IFN)の産生性を指標にして, 本剤の免疫抑制効果を検討した. 感染当日から種々の濃度のCs-Aを7日間連続投与されたマウスの死亡率は, 投与濃度に比例せず, いずれの投与群においても40%であった. 一方, 50mg/kg/日量のCs-Aを感染当日から10日間連続投与されたマウスは感染16日目までに全例が死亡したが, 感染6日前から同量のCs-Aを7日間および10日間投与した場合の死亡率は, それぞれ0%と30%で, Cs-Aの免疫抑制効果はその投与時期や期間により異なることが示された. また, Cs-A投与マウスにおける血中IFNの産生状況を検討したところ, 感染に伴って出現するIFN-α/βの産生性には特に影響を与えないが, 抗原特異的に誘発されるIFN-γの産生は顕著に抑制された. 従って, Tp感染マウスでは, Cs-A投与により, IFN-γ等のマクロファージ活性化に関与するリンフォカイン産生性T細胞の機能が障害され, 感染の悪化を招くものと考えられた.
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