日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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Theileria sergenti感染の検出用DNAプローブの作出
梶原 典子桐沢 力雄小沼 操川上 善三
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1990 年 52 巻 6 号 p. 1199-1204

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抄録
小型ピロプラズマ病の新しい検出法としてTheileria sergentiメロゾイトの組み換えDNAプローブを作出し, ハイブリダイゼーションによる赤内型メロゾイトの検出を試みた. T. sergentiの遺伝子ライブラリーはpUC-18ベクターを用いて作出し, コロニーハイブリダイゼーションとサザンハイブリダイゼーションでスクリーニングしT. sergentiに特異的なクローン8個を得た. そのうち2個のクローンのインサートを精製し32P-dCTPあるいはビオチン-11-dUTPで標識しプローブとして用いた. ドット・ブロットハイブリダイゼーションで, 精製したT. sergentiのDNAを用いた場合, 32P標識プローブは15pg (約1,200個のメロゾイトに相当), ビオチン標識プローブでは125pg (約10,000個のメロゾイトに相当) を検出できた. T. sergenti感染赤血球を用いた場合のメロゾイトの検出限界は, 32P標識プローブで8,000個, ビオチン標識プローブで16,000個であった.
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