1991 年 53 巻 3 号 p. 545-547
アガロースブロック中に包埋された好熱性カンピロバクター3菌種株(C. coil JCM2529T C. jejuni JCM2013と C. laridis JCM2530T)の無傷巨大染色体DNAをGCのみを含む配列を認識する3種類の制限酵素でそれぞれ消化し, パルスフィールドゲル電気泳動法で解析した. NotIとSfiIでそれぞれ処理されたC3菌種株DNAは対応する未処理の染色体DNAとほとんど同じ移動度を示したので切断の有無を明らかにするためApaIを用いた ApaI-NotIとApaI-SfiI二重消化実験を行った. ApaIは C. coilで3ヶ所 C. jejuniで2ヶ所 C. laridisで2ヶ所の切断部位を有していたがApaI-NotI二重消化実験でC. coilの場合4個の切断断片が観察され, C. coil JCM2529T染色体DNA上に少なくとも1個のNotI認識配列が存在する事が示唆された. G+C含量の低い細菌染色体がNotIおよびSfiIによって切断されているかどうかを解析するうえでの二重消化実験の有用性を指摘した.