Journal of Veterinary Medical Science
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日本において初めて認められた犬のHepatozoon canisの1症例(短報)
村田 智昭白水 完治原 行雄井上 誠下田 和伸中間 實徳
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1991 年 53 巻 6 号 p. 1097-1099

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抄録

15ヵ月齢の雄ビーグル犬の好中球様細胞の細胞質内に, 1個の核をもつ卵形ないし楕円形の大型の封入体様の寄生虫を多数認めた. これらは形態学的特徴からHepatozoon canisのガメートサイトと同定した. ギムザ染色ではガメートサイト内の核は染まるが, ヘマカラー染色ではそれは染まらなかった. これは染色性の違いかあるいはガメートサイトが感染細胞から脱出した残体であるためと考えられた. 本症例では骨膜に新生骨の増生, 発熱, 貧血などが見られた.

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