抄録
毒素原性大腸菌が保有するK99線毛はN-glycolyl neuraminic acidを含む糖鎖と反応し, HA活性を示す. 我々はHA活性の高いK99線毛の分離精製を試みた. 大腸菌B41株の菌体から65℃30分の熱処理で線毛を分離しSepharose 4Bによるゲルろ過, ついで塩析クロマトグラフィーによってウマ赤血球に対するHA活性のあるK99線毛画分の精製が可能であった(0.52HA unit/ng). 次に, K99線毛のみを持つ大腸菌, H1915株から得た線毛を同様にゲルろ過し超遠心分画することにより, その比活性を86倍に濃縮した(18.2HA unit/ng). 比活性の高いK99線毛を精製するためには, この方法は上述の方法よりも有効であることが分かった.