Journal of Veterinary Medical Science
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精子形成が減数分裂期で停止した無精子症ラットミュータント
筏井 洋野口 純子吉田 緑今道 友則
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1992 年 54 巻 4 号 p. 745-749

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抄録

著者らにより発見された無精子症ラットミュータントの, 精巣組織像および異常の遺伝様式について検索した. ミュータントの精巣重量は, 正常ラットの約1/3であった. 精子形成は初期減数分裂段階で停止していた. パキテン期の精母細胞は数が減少していた. 二次精母細胞および少数の円形精子細胞は観察されたが, 尖体期の精子細胞および精子は観察されなかった. 大きな好塩基性の封入体様の構造物が, パキテン後期の精母細胞の細胞質に認められた. 遺伝解析の結果, この異常は常染色体上の劣性遺伝子座により伝達されることが明らかになり, 我々はこの遺伝子座を, Asと命名した.

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