Journal of Veterinary Medical Science
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ラット胎仔甲状腺の濾胞形成とTSHに対する感受性の電子顕微鏡的観察
滝沢 達也山本 雅子有嶋 和義日柳 政彦宗宮 弘明江口 保暢
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1993 年 55 巻 1 号 p. 157-160

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抄録

濾胞が形成される前の胎齢15日から, 濾胞が形成された17日のラット胎仔の甲状腺を2日間器官培養後, 電子顕微鏡を用いてその微細構造を観察した. 胎齢15日の甲状腺を培養すると, TSHの添加の有無に関らずコロイドを含む濾胞が形成され, 濾胞細胞には粗面小胞体とゴルジ装置がよく発達していた. すでに濾胞が形成されている胎齢17日の甲状腺をTSHを添加して2日間培養すると, TSH無添加群に比べて粗面小胞体とゴルジ装置が一層よく発達していた. このことから, 甲状腺濾胞の初期形成にはTSHの有無に関らず, 濾胞細胞は自身で発達し, 濾胞形成後の濾胞細胞の発達はTSHによって促進される, と結論される.

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© 社団法人 日本獣医学会
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