抄録
20匹のElマウスにおいて塩酸ケタミン, キシラジン併用麻酔下で硬膜上脳波導出記録を行った. 探査電極はエポキシ樹脂で被覆をした銀球電極を用い, 基準電極はステンレススチール針電極を鼻端皮下に置いた. 20例すべてに安定した再現性のある脳波が得られた. 20例中8例に前頭部で左右同期する多棘複合が認められた. そのうち7例では多棘複合に先行する棘波が左前頭部に, 1例では右前頭部に認められた. マウスの脳波記録で, 局在性を示す所見が得られたことから, エポキシ樹脂被覆電極を用いて, 今まで報告の少なかったこのような小動物での脳波解析が今後期待される.