Journal of Veterinary Medical Science
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豚腸管膜リンパ節細胞におけるIL-2活性
岩田 祐之上田 竜夫高柳 恭子和田 睦美井上 武
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1993 年 55 巻 5 号 p. 729-734

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抄録

豚のインターロイキン2(IL-2)活性をマウスIL-2依存性細胞株(CTLL-2)を用いてMTT比色定量法により測定した. PHAで刺激した豚の腸管膜リンパ節(MLN)細胞の培養上清中にはCTLL-2細胞を濃度依存性に増殖させるIL-2活性が認められた. また, 1~2×107 cells/mlのMLN細胞を20から40μg/mlのPHAで刺激した場合に最大のIL-2活性が得られた. これらの培養条件に基づいてMLN細胞の大量培養を試みたところ, 豚IL-2活性は刺激後4時間目から検出され, 16時間後まで急速に上昇し, 約20時間で最大となった. この培養上清を濃縮した後, Sephacryl S-200ゲル濾過法により豚IL-2を部分精製した. IL-2活性は分子量20-40 kDの分画にみられ, その分子量は約32kDと推定された. また, 豚IL-2は等電点約5.3で, 酸(pH3.2), アルカリ(pH10.5), 4Mおよび8M尿素, トリプシンならびに70℃の熱処理に対し, 感受性であった. これらの物理化学的性状はヒト, マウスおよび猫IL-2と類似していた.

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