Journal of Veterinary Medical Science
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55 巻 , 5 号
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  • 種村 健太郎, 九郎丸 正道, 倉本 和直, 林 良博
    1993 年 55 巻 5 号 p. 703-710
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    BDF1マウス精巣組織の加齢に伴う退行性変化について, 光学顕微鏡および透過型電子顕微鏡を用いて形態学的検討を行った. 生後12力月齢までの精巣組織には異常は認められなかったが, 生後18力月齢の精上皮において空胞の出現が初めて観察された. 空砲は加齢に伴い増加傾向にあった. これらの空砲の存在する精上皮では, 精細胞は明らかに減少していた. 精細胞の脱落, 欠損により精上皮は薄層化し, 薄層化した精上皮においては正常な精子発生像は認められなかった. 生後30力月齢以降では著しく薄層化の進んだ精上皮が観察され, このような精上皮では精子細胞や精母細胞は, ほとんど認められなかった. このような著しく薄層化の進んだ精上皮では多くのセルトリ細胞は極性を失って扁平化しており, その突起が精細管管腔側に積み重なっていた. 一方, 生後24力月齢以降の精巣間質域で単核食細胞の増加が認められた. また, 生後27力月齢ではPAS陽性の細胞外マトリックスの出現が観察された. さらに加齢に伴い, ライディッヒ細胞に渦巻状の滑面小胆体が頻繁に出現した. 精巣組織の退行性変化は経時的に進行し, 精子発生不全像を呈する精細管は生後18力月齢ではわずか2.2%であったのが, 生後24力月齢では11.3%に達し, さらに生後33力月齢では63.0%を占めるに至った.
  • 大石 英司, 伊藤 博哉, 岡部 達二, 寺門 誠致
    1993 年 55 巻 5 号 p. 711-715
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Actinobacillus pleuropneumoniae(App) 1, 2, 5型菌の莢膜抗原, 2型菌のLPSに対する単クローン抗体(MAb)をそれぞれ作成した. これらのMAbとC3H/HeJマウスを用い, 受身感染防御試験を実施したところ, それぞれのMabのホモの血清型の攻撃に対しては充分な防御効果を示した. これらの結果から, Appの感染防御に対しては血清型特異抗原が重要な役割をなすと考えられ, さらに, 莢膜抗原, LPSはコンポーネントワクチンの成分として有用であることが示唆された.
  • 西村 亮平, 金 輝律, 松永 悟, 林 慶, 佐々木 伸雄, 田村 弘, 竹内 啓
    1993 年 55 巻 5 号 p. 717-722
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    豚にメデトミジンとミダゾラムを組み合わせて使用した場合の鎮静効果について検討した. その結果この組み合わせは, メデトミジンの使用量を半分にしてもメデトミジン単独使用時に比べはるかに強力な鎮静作用を示すことが示され, またこの作用は導入時に豚を強く刺激し続けても同様に得られることが明らかとなった. さらにこの組み合わせで鎮静された豚は, 感覚刺激による覚醒反応が強く抑制され, なんら抵抗する事無く背臥位に保定することもできた. これに加えこの組み合わせでは中程度の鎮痛効果と明らかな筋弛緩作用が得られることも示された. これらの強力な作用は, 両剤を単独で用いたときの作用から予想されるものよりはるかに大きいことから, 両者の相加作用というよりは相乗作用によるものと考えられた. このようにメデトミジンとミダゾラムの組み合わせによる鎮静は豚の化学保定剤として幅広く応用可能な, 有用な方法であると考えられた.
  • 上地 正実, 飯田 英冶, 渡辺 俊文, 桑島 智, 中山 智宏, 狩野 安正, 田中 克明, 若尾 義人, 高橋 貢
    1993 年 55 巻 5 号 p. 723-727
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    本実験では, 循環ポンプを用いて透析液を再循環させる再循環式腹膜透析(RPD)を考案し, その透析効果について検討を行った. 実験には, 休重6.6±0.7kgの雑種成犬15頭を用いて尿毒症を発現させ, 排液用の円盤型カテーテルは肝臓と横隔膜の間に, 注入用のストレート型カテーテルは膀胱の背側面に留置した. 透析液は, グルコース濃度1.3%液を2l使用し, ポンプによって腹腔と透析液槽の間を循環させた. 透析液の循環速度は, それぞれ30, 60, 90そして120 ml/minとした. RPDは, 3時間行い, 1時間毎に尿素窒素, クレアチニン, リン, カリウムのクリアランスを算出した. RPDにおけるクリアランスは, 流速が速くなるにしたがって高値を示す傾向にあった. RPDは, カテーテルを2本腹腔内に留置するが, 従来の腹膜透析と比較して手技的に難しいところはなく, 血液透析よりも実施しやすいと考えられる. また, RPDは, 短時間で従来の腹膜透析よりも高い透析効果が得られることから, 動物に対する新しい透析法として有用性の高いことが示唆された.
  • 岩田 祐之, 上田 竜夫, 高柳 恭子, 和田 睦美, 井上 武
    1993 年 55 巻 5 号 p. 729-734
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    豚のインターロイキン2(IL-2)活性をマウスIL-2依存性細胞株(CTLL-2)を用いてMTT比色定量法により測定した. PHAで刺激した豚の腸管膜リンパ節(MLN)細胞の培養上清中にはCTLL-2細胞を濃度依存性に増殖させるIL-2活性が認められた. また, 1~2×107 cells/mlのMLN細胞を20から40μg/mlのPHAで刺激した場合に最大のIL-2活性が得られた. これらの培養条件に基づいてMLN細胞の大量培養を試みたところ, 豚IL-2活性は刺激後4時間目から検出され, 16時間後まで急速に上昇し, 約20時間で最大となった. この培養上清を濃縮した後, Sephacryl S-200ゲル濾過法により豚IL-2を部分精製した. IL-2活性は分子量20-40 kDの分画にみられ, その分子量は約32kDと推定された. また, 豚IL-2は等電点約5.3で, 酸(pH3.2), アルカリ(pH10.5), 4Mおよび8M尿素, トリプシンならびに70℃の熱処理に対し, 感受性であった. これらの物理化学的性状はヒト, マウスおよび猫IL-2と類似していた.
  • 長野 秀樹, 橋本 紘, 田中 義夫, 藤崎 優次郎
    1993 年 55 巻 5 号 p. 735-738
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV) M41株のスパイク蛋白であるS1領域をコードする遺伝子のcDNAをクローニングし, ジゴキシゲニン-dUTP標識プローブを調製した. そのプローブは56℃の反応温度ではホモのM41株と同じ血清型に属する4株と反応したが, 68℃ではホモのM41株とのみ反応し, 上記の4株とさえ反応しなかった. つまり56℃での反応パターンは血清型と一致し, 68℃でのそれは株特異的であった. この結果は, 同じ血清型に属するIBV株でもS1遺伝子が異なることを示している. また, IBV の野外株が分離されたとき, 本プロープを用いた56℃でのハイブリダイゼイションによりその分離株の血清型別ができ, 68℃で反応させることによりその鶏群で用いられている生ワクチン株との異同が検定できると思われる.
  • 岡本 芳晴, 南 三郎, 松橋 晧, 指輪 仁之, 斎本 博之, 重政 好弘, 谷川 孝彦, 田中 吉紀, 戸倉 清一
    1993 年 55 巻 5 号 p. 739-742
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イカ甲キチンより精製したポリN-アセチル-D-グルコサミン(キチン)の犬における組織反応を観察するために, 1群にはポリエステル製不織布(NWF)にキチンを含浸させたもの(キチン群)を, 他群にはNWFのみ(対照群)を, 1頭あたり背部皮下4ヶ所に移植した. 移植後2, 4, 8, 18日目に移植片を採材し, 肉眼的ならびに組織学的検索を実施した. キチン群において移植したNWFは漸次器質化され, 18日目には完全に器質化された. またこの時, NWFへの明瞭な血管新生を認めた. 一方, 対照群においては器質化は不完全であり, NWFへの血管新生も認められなかった. 組織学的にはキチン群において移植後2日目に対照群に比較してNWF周囲に単核球および多形核白血球の集簇が顕著であった. またキチン群において移植後4日目にNWF周囲に血管に富んだ結合組織が観察された. しかしながら対照群では, このような所見はこの時期においてはみられなかった. 以上の成績より, キチンはNWFへの単核球および多形核白血球の遊走を高め, 血管新生を伴うNWFの器質化を促進させることがわかった.
  • 岡本 芳晴, 南 三郎, 松橋 晧, 指輪 仁之, 斎本 博之, 重政 好弘, 谷川 孝彦, 田中 吉紀, 戸倉 清一
    1993 年 55 巻 5 号 p. 743-747
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬72頭, 牛38頭, 猫33頭, 兎2頭, 猿1頭および馬1頭の計147頭に対して, キチンをスポンジ状, 綿状およびフレーク状に加工したもの(キチン-スポンジ, キチン-コットンおよびキチン-フレーク), キチンを含浸させたポリエステル製不織布(キチン-NWF)を種々な外傷, 膿瘍, 手術時の創腔およびヘルニア整復に適用した. キチン-スポンジを手術時の創腔30例の充填材, 外傷25例, 膿瘍31例の組織欠損部充填材または創面被覆材として計86例に使用した結果, 77例(89.5%)が良好な治癒経過を示した. 特に腫瘍摘出部に生じた創腔20例の充填材として使用したところ, 1例において術後1ケ月目に再発したが, 19例においては術後3~24力月経過するも再発はみられなかった. キチン-NWFを外傷2例および膿瘍12例の組織欠損部充填材または創面被覆材, 手術時の創腔6例の充填材, さらには臍ヘルニア12例のヘルニア輪縫合部の補強材として計32例に使用した結果, 28例(87.5%)に治癒あるいは再発防止効果がみられた. キチン-コットンを外傷8例および膿瘍12例の計20例の組織欠損部充填材または創面被覆材として使用した結果, 18例(90.0%)が良好な治癒経過をたどった. キチン-フレークを外傷9例の組織欠損部充填材または創面被覆材として使用した結果, 8例(88.9%)が治癒した. キチン製材を使用した全例において, 副作用はみられなかった.
  • 川森 文彦, 秋山 真人, 杉枝 正明, 神田 隆, 赤羽 荘資, 山本 正悟, 大橋 典男, 多村 憲
    1993 年 55 巻 5 号 p. 749-755
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Rickettsia tsutsugamushi Gilliam株の型特異的抗原蛋白の遺伝子配列に基づいて作成したプライマーを用いた2段階PCR(nested PCR)法の恙虫病診断への応用の可否を検討した. その結果, このPCR法により血清型を異にするGilliam, Karp, Kato, Kawasaki, KurokiおよびShimokoshi株のいずれからもリケッチアに特異的なDNAが増幅されることを確認した. また, これらの増幅産物を制限酵素であるHha IおよびSfa NIにより切断した時のパターンは6株間で特有の差異を示すことを確認した. そこで, この方法により患者血液および流行地由来ツツガムシ中からリケッチアDNAの検出を試みたところ, リケッチアに特異的なDNAの増幅が認められ, 且つ, その増幅されたDNAの制限酵素による切断パターンから推定されるリケッチアの血清型は, 血清学的に調べた感染リケッチアの血清型と一致することが判明した. 即ち, 今回用いたPCR法は患者血液を材料とした恙虫病診断に応用できるだけでなく, これら患者およびツツガムシ中のR. tsutsugamushiの血清型別も可能な, 高感度で特異的な方法であることが示唆された.
  • 斉藤 守弘, 水沢 馨, 板垣 博
    1993 年 55 巻 5 号 p. 757-761
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    全身の横紋筋に多発結節の認められた牛3頭について, 寄生虫学的検査, 肉眼および病理組織学的検査および免疫組織化学的検査(酵素抗体法)を行った. 剖検所見では, いずれの検体においても, 全身の横紋筋に帯黄緑色, 米粒大の結節が認められ, 内部はチーズ様物で満たされていた. 結節の組織所見は, 好酸球を主体とする肉芽腫であった. 結節内には, Sarcocytisのシスト, ブラディゾイトは検出されなかったが, その周囲の正常な筋肉には, S. cruziの寄生が認められた. 抗S. cruzi家兎血清を用いた免疫組織化学的検査(ABC法)において, 結節壊死部にS. cruzi家兎血清に強い陽性反応が認められた. 以上のことより, 本症例をSarcocystisによる牛の慢性住肉胞子虫症と診断した.
  • 佐々木 栄英, 北川 均
    1993 年 55 巻 5 号 p. 763-769
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ミルベマイシンDを末梢血ミクロフィラリア(mf)陽性犬24例に1回(1mg/kg)経口投与し, 末梢血mf数の変化を20週後まで毎週観察した. 平均mf数は1週後には投薬前の3~8%まで減少し, 8週までは大きな変動を示さなかった. その後徐々に増加したが, 投薬前の値には達しなかった. 投薬1日, 1, 4, 8, 12, 16および20週後に各々3~4頭の実験犬を安楽死させ, フィラリア虫体を採取して生殖器の変化を観察した. 子宮内mfは投薬により死滅しなかったが, 8週後に発生初期の胚細胞に異常が認められ, 12週以後には桑実肝の変性壊死および子宮内mf数の減少が認められた. これらの所見は日数の経過とともに重度となり20週後には, 子宮内mfは全く認められなくなった. 電顕的観察では, 1~8週後には卵母細胞において核小体が濃縮し, 8週以後には初期胚細胞におけるポリゾームの減少と分割細胞の不均等化が認められた. これらの所見から, ミルベマシインDは犬糸状虫の卵原細胞の遺伝子または染色体に何らかの影響を与え, 蛋白合成を抑制することにより胚細胞の発育を阻害するものと考えられた. また同剤を予防プログラムに従って1か月間隔で投与すると末梢血mfは消失し, オカルト感染犬になることが明らかとなった.
  • 佐藤 満雄, 明石 博臣
    1993 年 55 巻 5 号 p. 771-774
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    単クローン抗体を用いる高感度, 特異的かつ再現性のある牛コロナウイルス抗原検出用エライサ法を開発した. 赤血球凝集抑制活性と中和活性を示す2つの抗体(4H4, 7F5)の組み合わせによりウイルス抗原の捕捉と検出が可能で, 29群からの202例の糞便中40例が陽性(OD値0.2以上)を示し, その10頭からヒト直腸腺癌由来HRT-18細胞によりウイルスが分離された.
  • 桃井 康行, 長瀬 雅之, 岡本 ゆかり, 奥田 優, 佐々木 伸雄, 亘 敏広, 後飯塚 僚, 辻本 元, 長谷川 篤彦
    1993 年 55 巻 5 号 p. 775-780
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌのリンパ腫・白血病の腫瘍細胞の起源およびクローナリティーを明らかにするため, 臨床例から得られた腫瘍細胞について免疫グロブリン遺伝子およびT細胞レセプター遺伝子の再構成の検出を行った. その結果, 解析を行った15例のうち, 10例において免疫グロブリン遺伝子の再構成が認められ, 4例においてT細胞レセプター遺伝子の再構成が認められた. これまで表面抗原の解析では分類が困難であった例においても免疫グロブリン遺伝子あるいはT細胞レセプター遺伝子のいずれかに明らかな再構成が認められた. またこれら腫瘍細胞はモノクローナルあるいはオリゴクローナルな細胞集団で構成されることが示唆された. さらに腫瘍組織の体内分布と腫瘍細胞の起源との関連も認められ, 多中心型リンパ腫の11例中10例はB細胞起源であり, その他, 比較的まれな体内分布を示した4例すべてがT細胞由来であった. 本研究で行った免疫グロブリンおよびT細胞レセプターの遺伝子再構成の検出は, 腫瘍細胞の起源およびクローナリティの解析にきわめて有用と考えられた.
  • 中間 實徳, 田浦 保穂, 田原 秀樹, 保田 昌宏
    1993 年 55 巻 5 号 p. 781-784
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    頸部あるいは胸腰部の椎間板ヘルニアの66頭のイヌに腹側造窓術を実施した. 椎間板ヘルニアを患ったイヌの品種は, ダックスフント(65.1%), ビーグル(15.2%), シーズー(4.5%), ペキニーズ(4.5%), その他(18.2%)であった. 椎間板ヘルニアのために造窓術を高頻度に受けた部位は, T10-11からL2-3であったが, いくつかの例では他の椎間板も手術を要した. 椎間板の造窓術を行った平均の個数は6.0であった. 51頭の術後の歩行までの日数は, その症状の程度により1~120日(平均: 14.9±22.0日)と幅があった. 術後の回復率は, I群(背部の疼痛のみで歩行可能, 3例)とII群(軽度の運動失調と不全麻痺14例)はともに100%で, III群(深部痛覚のある対麻痺, 23例) とIV群(深部痛覚欠如で対麻痺, 26例)はそれぞれ73.9%と65.4%であった. 術後の再発はきわめて少なく, イヌの椎間板ヘルニアに対する治療として, 腹側造窓術はきわめて有効であった.
  • 折野 宏一, 山本 晋二, 渡辺 清隆
    1993 年 55 巻 5 号 p. 785-787
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    酵素免疫測定法により測定したウマ血漿および血清フェリチン濃度は血漿の方が血清より低かった. しかしながら, 血漿と血清を75℃で15分間加熱処理することにより, 両者のフェリチン濃度は同レベルに上昇した. これらの結果はウマ血漿にはフェリチンの免疫測定を阻害する特有のフェリチン結合タンパク質が存在することを示唆する. ウマ血清フェリチン濃度は血清へのウマフィブリノーゲン添加により減少した. フィブリノーゲンはウマ脾臓フェリチンの免疫測定をも阻害し, またこれと結合した. これらの結果から, ウマフィブリノーゲンはフェリチンの免疫測定を阻害するフェリチン結合タンパク質の一つであると結論された.
  • 西村 亮平, 金 輝律, 松永 悟, 林 慶, 佐々木 伸雄, 田村 弘, 竹内 啓
    1993 年 55 巻 5 号 p. 789-793
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    メデトミジンとミダゾラムの組み合わせで鎮静した豚に, それぞれの拮抗薬であるアチパメゾール(80, 160, 240μg/kg, 筋肉内投与)およびフルマゼニル(100μg/kg, 静脈内投与)を投与した場合の拮抗効果について検討した. その結果アチパメゾールはいずれの用量でもメデトミジン-ミダゾラムによる鎮静を効果的に拮抗し, 覚醒時間, 起立時間, 全回復時間は有意に短縮した. この中で最も良好な覚醒を得られたのは, 160μg/kg投与時で, 鎮静からの覚醒は迅速かつ円滑で, 過剰運動, 頻脈等の副作用もほとんど認められなかった. フルマゼニルは豚を一旦覚醒させたが, その後再度鎮静状態に戻った. アチパメゾール(80μg/kg)とフルマゼニル(100μg/kg)の組み合わせは最も効果的に鎮静に拮抗したが, 実際の使用にあたっては, アチパメゾール160μg/kgの単独使用で十分な効果が得られると考えられた.
  • 中田 陽子, 小坂 俊文, 桑原 正人, 田中 茂男, 佐藤 敬, 小出 英興
    1993 年 55 巻 5 号 p. 795-799
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    外科的侵襲後の免疫抑制状態に対するGe-132投与効果についてChemiluminescence (CL)法を用い, 犬の末梢血中における好中球, マクロファージ及びPBLの活性値を測定, 検討した. 実験群は, Ge-132未投与で胃切開術を行った手術群と手術24時間前にGe-132をあらかじめ投与し, 胃切開術を行ったGe-132群の2群に分けた. 手術群における好中球, マクロファージ, PBLの活性値は, 術後間もなく低下した. この結果からCL法が術後の免疫低下をいち早く測定できる方法であることが示唆された. しかし, Ge-132群では, 好中球, マクロファージ, PBL活性値は術後の低下が見られなかった. 特に, マクロファージとPBLの活性値は術後, 長期間かなりの増強が観察された. 免疫賦油剤であるGe-132はIFN-γ誘起剤としてすでに報告されており, 誘起されたIFN-γによって, マクロファージとPBLが活性化され術後の免疫低下の防止効果を示したものと推測される. 以上の結果から, Ge-132の術前における投与は, 術後の免疫低下によって引き起こされるさまざまな臨床上の問題を防御する上で有効ではないかと考えられる.
  • 奥田 優, 梅田 昭子, 松本 安喜, 桃井 康行, 亘 敏広, 後飯塚 僚, O'Brien Stephen J., 辻本 元, 長谷川 ...
    1993 年 55 巻 5 号 p. 801-805
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    癌抑制遺伝子p53はヒトやマウスの様々な腫瘍において不活化されていることが知られている. ネコの腫瘍におけるp53遺伝子の役割を研究するため, 種間で保存されている領域のプライマーを用いPCR法によってネコp53遺伝子cDNAのクローニングを行った. その結果, ヒトの腫瘍における変異の多発発部を含みp53遺伝子の翻訳領域の約90%に相当する1,007bpの塩基配列を決定することができた. ネコp53遺伝子はヒ卜およびマウスのp53遺伝子と同様の構造からなっており, アミノ酸レベルでそれぞれ82.9%および75.6%のホモロジーを示した. さらに, ネコ×マウスおよびネコ×ハムスターの雑種細胞においてネコp53遺伝子特異的プライマーを用いたPCR法を行ったところ, p53遺伝子はネコのE1染色体に存在することがわかった. これらの結果は, ネコの腫瘍におけるp53遺伝子の役割を明らかにするためにきわめて有用と思われる.
  • 清水 俊夫
    1993 年 55 巻 5 号 p. 807-811
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    徳島保健所管内の砂場のToxocara属虫卵による汚染状況を把握するために46力所を調査したところ, 29力所(63.3%)から虫卵が検出された. 公園や住宅団地内の遊び場の砂場(87.5%)が, 幼稚園や学校, 児童館等の施設に付属する砂場(36.4%)より明らかに汚染率が高かった. また, その内5力所の砂場について, 1990年5月から1991年4月の間に汚染状況の季節的変化を調査したところ, 3~6月の春から初夏にかけてと, 9~11月の秋季に陽性率が高く, 7・8月の夏季及び12~2月の冬季に低下し, 7・8月には検出される虫卵数も明らかに減少した. 砂場の一つから回収した虫卵を走査電子顕微鏡で観察したところ, 犬蛔虫卵と猫蛔虫卵の比は2:3であった. また, 5-6力月未満の144頭の子犬の直腸便を調査したところ, 98頭(68.0%)が犬蛔虫卵陽性であった. この調査から当保健所管内の砂場が幼虫移行症を引き起こす可能性のあるToxocara属虫卵により著しく汚染されていることがわかった. 今後, このような汚染を防止するための対応が必要である.
  • 長井 伸也, 高橋 欣也, 三井 正朗, 八木橋 武
    1993 年 55 巻 5 号 p. 813-819
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Actinobacillus pleuropneumoniae-RTX-toxin II (ApxII)をコードするappA遺伝子をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ, 本遺伝子は10型菌を除いた12の血清型菌に存在することが示された. 10型菌にはappAと弱い相同性を持った遺伝領域(Lhaと仮称)が存在した. 本遺伝領域の塩基配列を解析した結果, Lhaには, 本菌の持つ105-kDaヘモリジン, ApxIをコードするhlyIA遺伝子の一部と同様の塩基配列が存在した. Lha(hlyIA)配列は血清型10だけでなく血清型1, 5a, 5b, 9及び11型菌にも存在することが明らかになった. また, これらの血清型菌は羊血球に対し強い溶血活性を示し, マウスに対して高い病原性を示した. これらの結果から, ApxIは本菌の病原性に関与していることが示唆された.
  • 宮田 裕人, 阿部 光雄, 竹花 一成, 岩佐 憲二, 平賀 武夫
    1993 年 55 巻 5 号 p. 821-827
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ブタ脾臓の脾索とサヤ組織における細網線維の構成要素および無定形基質内のシアル酸の存在について透過電子顕微鏡的に比較検討をした. 脾索の細網線維内には, 膠原原線維, 微細線維, 弾性線維, 神経線維および平滑筋細胞が見られたが, サヤ組織の細網線維内には, 微細線維のみが認められた. シアル酸検出のためのLFAレクチンの反応性は, 脾索がサヤ組織より強く反応を示した. 以上の結果から, 様々な機能的要素を含む脾索の細網線維は, 脾臓の収縮や拡張といった生理的変化に対し重要な役割を演ずるものと考えられた. 一方, サヤ組織の細網線維は, 構成要素および無定形基質の性状が毛細血管基底膜と類似であるため, サヤ組織を"毛細血管基底膜性細網組織"と呼称するのが妥当であろう.
  • 中山 裕之, 内田 和幸, 正田 俊之, 上塚 浩司, 佐々木 伸雄, 後藤 直彰
    1993 年 55 巻 5 号 p. 829-831
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    11力月齢の去勢雄, 日本猫が振顫, 歩行困難等の神経症状を示し, 安楽殺された.病理学的検査により, 大脳, 小脳でグリア細胞の増生, 神経細胞およびグリア細胞内のセロイド-リポフスチンの顕著な沈着を認めた. セロイド-リポフスチンは肝のクッパー細胞, 脾の細網細胞, リンパ節のマクロファージの中にもみられた.
  • 鈴木 正嗣, 大泰司 紀之
    1993 年 55 巻 5 号 p. 833-836
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    北海道足寄町産のエゾシカで, メスの繁殖学的特性を調査した. その結果, この個体群では, 多くが満1歳で性成熟に達し, 以後ほぼ毎年妊娠することが示された. 排卵後間もない黄体が認められたため, 発情周期は10月末頃から始まることも確認された. さらに, 胎子の性比は統計学的に1:1であること, 出生時体重は6kg程度と考えられること, 妊娠メスの卵巣には高率(77.8%)で副黄体が出現することなども, 明らかになった.
  • 川合 覚, 高橋 清志, 黒沢 隆, 其田 三夫
    1993 年 55 巻 5 号 p. 837-839
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    飽血直前のフタトゲチマダニの若ダニ腸管内におけるTheileria sergentiの初期発育形態を観察した. 光顕的観察によると若ダニ腸管内の虫体にはspherical intra-erythrocytic stage, ring-form stage, round-form stage, そして極めて稀にspindle-shaped stageが認められた. 電顕的観察では, 赤血球より若ダニ腸管内に遊出した虫体は, 約1.1×1.4μmの楕円形で, 偏在した核, 小胞体, ミトコンドリア様器官, および周囲を2層の膜により囲まれた高電子密度の器官を有していた. 同時期の若ダニ腸管内には1~3本のマイクロチューブを内包した小突起を有する虫体も観察され, このような虫体では高電子密度で非常に明僚なlabyrinthine構造が見られた. 同構造は他のTheileria種のmicrogamontにも認められていることから, 本虫体はT. sergentiにおけるmicrogamontへの発育過程であると考えられた.
  • 杉井 俊二, 廣田 好和
    1993 年 55 巻 5 号 p. 841-843
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    正常な成鶏から分離した血清を出発材料にして, Ca2+依存性にフォスフォリルコリンに結合する蛋白質を分離した. 家兎抗鶏免疫グロブリン抗体を用いてCa2+依存性のフォスフォリルコリン結合抗体を除去した精製フォスフォリルコリン結合蛋白質を電気泳動(SDS-PAGE)で解析すると, 非還元および還元条件下で2本の蛋白質バンドが見られた. ゲル濾過では分子量約10万の位置に溶出された. これらの成績から, 鶏血清中のCa2+依存性フォスフォリルコリン結合蛋白質は2つのサブユニットが会合した分子量約10万の血清蛋白質であると考えられる.
  • 志村 純子, 長谷川 忠男
    1993 年 55 巻 5 号 p. 845-847
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    細胞内で脂肪酸のトランスポーターであるカルニチン, 4-(N, N, N-trimethyl-ammonio)-3-hydroxybutanoateを飼料中0.3%添加し, 血清および肝蔵中の脂質代謝におよぼす影響について検討した. 30%脂肪含量飼料給与ラットでは, カルニチン添加によって, 血清および肝蔵中の脂質類, とくにTGが減少した. 5%脂肪含量飼料給与群や高コレステロール食給与群では, その効果は認められなかった.
  • 藤崎 幸蔵, 神尾 次彦, 河津 信一郎
    1993 年 55 巻 5 号 p. 849-851
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    我が国の小型ピロプラズマ原虫Theileria sergenti池田株の感染牛を吸血し飽血したKaiseriana亜属のフタトゲチマダニHaemaphysalis longicornisとマゲシマチダニH. mageshimaensisの若ダニを25℃で飼育し, 飽血後3日目から19日目まで毎日, マダニ両種の腸管塗沫のギムザ染色標本を作成した. 細胞質内にキネートが形成されているチゴートは, マダニの脱皮日の前後の数日間に検出された. その検出数は多くはなかったが, T. sergentiのキネートは他のタイレリア種と同様, チゴートの細胞質が重積(invagination)することによって形成されることが確かめられた. チゴート内のキネートは小形で, 細胞質の片縁部に位置するという他のタイレリアにはない特徴が認められた.
  • 田辺 茂之, 田浦 保穂, 田中 紀則, 中市 統三, 中間 實徳
    1993 年 55 巻 5 号 p. 853-854
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    紫外線(UV)照射ラット肝細胞(HCs)をマウスの背側皮下に移植した4日後に, UV非照射(non-UV)HCsを足蹠に接種し, それにより惹起された遅延型過敏(DTH)反応をnon-UV-HCsを移植した群と比較した. その結果, 600J/m2-UV-HCs移植群のDTH反応が, non-UV移植群のそれよりも有意に抑制された. また, non-UV-HCsを移植後, UV-HCsで惹起した群のDTH反応は, 惹起をnon-UV-HCsで行った群と同様であった.
  • 宮田 裕人, 阿部 光雄, 竹花 一成, 佐藤 光晴
    1993 年 55 巻 5 号 p. 855-857
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    サヤ動脈の発達したブタの脾臓を用い, コンピュータ一再構築によってサヤ動脈の3次元立体構造とサヤ毛細血管の分岐数を明らかにした. サヤ毛細血管は, サヤ組織内で約90%以上が1~6回分岐していた. サヤ動脈は, サヤ毛細血管の分岐数とそれらの走行方向により様々な形態と大きさを示した. 以上より, ブタ脾臓のサヤ動脈に関する従来の形態学的表現は, 大部分のサヤ動脈で適切でないことが示唆された.
  • 柴田 勲, 宇留野 勝好, 鮫ヶ井 靖雄, 稲葉 右二
    1993 年 55 巻 5 号 p. 859-861
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    赤血球凝集抑制(HI)試験による野外オーエスキー病ウイルス感染豚と糖蛋白gIII 欠損ワクチン接種豚の識別を検討した. ワクチン株(dlg92/dltk)はマウス赤血球を凝集しなかった. 5回ワクチン接種した豚は中和抗体(抗体価128~512倍)を産生したが, HI抗体は産生(抗体価8倍以下)しなかった. また, 強毒株を接種した豚では接種後1~2週目からHI抗体を産生した. したがって強毒株感染豚とgIII欠損ワクチン免疫豚とはHI試験により容易に識別できた.
  • 後飯塚 僚, 大野 耕一, 松本 安喜, 林 菜穂子, 桃井 康行, 岡本 ゆかり, 亘 敏広, 辻本 元, 長谷川 篤彦
    1993 年 55 巻 5 号 p. 863-865
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    大顆粒性リンパ球(LGL)に由来するリンパ腫細胞株(FGL)を消化管型リンパ腫のネコの腹水から樹立した. このFGL細胞は, 細胞質に多くのアズール顆粒を保有し, 染色体DNAには, ネコ白血病ウイルスのプロウイルスDNAが検出された. FGL細胞はインターロイキン2レセプターα鎖を発現しており, またヒトの赤芽球性白血病細胞株であるK562細胞に対して細胞障害活性を示すことが明らかになった.
  • 村田 智昭, 井上 誠, 立山 晉, 田浦 保穂, 中間 實徳
    1993 年 55 巻 5 号 p. 867-868
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    我々は1990年から1992年にかけて犬におけるHepatozoon canisの家族性感染を経験した. 計6回の分娩で出産した子犬29頭中23頭(79.3%)に生後16日から60日にかけてH. canisのガモントないしメロントを確認した. 母犬は殺ダニ剤処理を行った. ダニのいない飼育環境下で分娩し, 子犬は生後ダニによりH. canisに感染する機会はなかったので, この感染は母犬由来の垂直感染であると推察された.
  • 梶 義則, 谷山 弘行, 松川 清, 岡田 洋之, 角田 修男, 田上 正明, 秋田 博章
    1993 年 55 巻 5 号 p. 869-870
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    北海道で生産され, 日本全国を転戦していた雌の4歳のサラブレッド競走馬の肝臓にEchinococcus multilocularisの多色虫が初めて発見された. 嚢胞の発育は良くないが肝層に胚細胞が認められ, 感染能は保持されていると考えられた. 本虫の常在地となった北海道で生産された競走馬は常に本症に感染する機会があり, その移動により本症が全国に拡がる可能性がある.
  • 牧村 進, 児玉 暁, 木下 充郎, 高木 比呂志, 足立 幸蔵
    1993 年 55 巻 5 号 p. 871-873
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Haemophilus somnus死菌ワクチン接種後, セレン(Se)欠乏であるがビタミンE(Vit E)は充足された繁殖和牛は, Se/Vit E合剤を投与した牛と比較して, 抗体産生は初期には同程度であったが, 後期にはSe欠乏群はSe補給群に比べて有意に低い値であった. 以上のことから, 初期においてはVit EがSe欠乏を補い充分な抗体産生を惹起したが, 後期の抗体産生の抑制はSe欠乏に起因するものと推察された.
  • 大橋 文人, 小谷 猛夫, 大西 堂文, 片本 宏, 仲田 恵利香, Fritz-Zieroth Bernhant
    1993 年 55 巻 5 号 p. 875-876
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    斜頸および運動失調を主症状とした10歳のマルチーズ種犬に対し, 神経学的検査, X線検査, 血液・生化学的検査, および脳波検査とともに, MRI検査を実施した. MRI検査では, Gd-DTPAによるコントラスト増強T1強調像に, 後頭領域に信号強度の増加した腫瘤を認めた. 後頭下開頭術および小脳虫部正中切開術による生検診断では腫瘤組織は乳頭状増殖を示す悪性脈絡叢乳頭腫であった.
  • 村田 智昭, 下田 和伸, 井上 誠, 白木 完治, 鹿江 雅光, 田浦 保穂, 中間 實徳
    1993 年 55 巻 5 号 p. 877-879
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    13頭のHepatozoon canis感染犬の末梢白血球中におけるgamontの出現性を約2年間にわたって観察した. gamont数は春から秋にかけて増加し, 秋から冬にかけて著明に減少した. また猟に使用した感染犬ほど出現周期性は顕著で, 隔離飼育した感染犬では周期性はみられず, 約1年後にはgamontは血中から消失した. この成績から猟期に感染ダニを摂食した犬にgamont数が増加する事が明らかとなった.
  • 辻 尚利, 河津 信一郎, 中村 義男, 藤崎 幸蔵
    1993 年 55 巻 5 号 p. 881-883
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    S. venezuelensisの感染幼虫(IL), 肺より回収した幼虫(LL)および小腸より回収した成虫(AW)の蛋白構成を2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて解析した. LLおよびAWの蛋白スポットパターンは6個のスポットを除いて同一であったのに対し, ILのスポットパターンは13個のスポットによって特異的でLLおよびAWのそれと区別された.
  • 佐々木 卓士, 佐々木 専悦, 小山 弘之
    1993 年 55 巻 5 号 p. 885-888
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    日本各地からの鶏を含む鳥類の血清に細網内皮症ウイルスに対する抗体が存在するか否か検討した. 鶏では, 寒天ゲル内免疫拡散法(AGID)により14/54農場(25.9%), 27/126鶏群(21.4%), 271/1,892例(14.3%)が陽性であった. AGID陽性血清は間接蛍光抗体法あるいはウイルス中和試験, あるいは双方で陽性であった. 鶏以外では, 北京アヒル(1/120例; 0.8%)とキジ(4/27例; 14.8%)がAGID陽性だった. これは日本で最初の成績である.
  • Ocampo Marlon B., Ocampo Lerma C., 鈴木 啓太, 森 匡, 上田 純治, 清水 弘, 金川 弘司
    1993 年 55 巻 5 号 p. 889-891
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    供胚豚に過剰排卵処理を施して, hCG投与60~72時間後に初期胚を回収し, ブタ卵管上皮細胞との共培養および発育鶏胚羊膜腔内培養の比較を行った. その結果, 収縮桑実胚および胚盤胞への発育率についてみるとブタ卵管上皮細胞との共培養(18.0%)よりは発育鶏胚羊膜腔内培養(60.0%)が有意に高い値を示した. 以上のことから, ブタ初期胚の発育鶏胚羊膜腔内培養は有効であり, この方法はCO2培養器を使用しなくても初期ブタ胚の体外培養に役立てることが示された.
  • 内田 英二, 加藤 憲夫, 高橋 清志
    1993 年 55 巻 5 号 p. 893-894
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    出産時の乳牛血清中にハプトグロビンが検出された. 出産時には血清トリグリセリド濃度は低下し, 遊離脂肪酸濃度は増加していた. また, コルチゾル濃度も高い傾向を示した. 脂肪肝の発症頻度が出産後に高いことから, ハプトグロビンの出現は脂肪肝と関連するものと考えられた.
  • 本庄 和人, 廣田 好和
    1993 年 55 巻 5 号 p. 895-897
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    サイクロフォスファミド(Cy)処理鶏および無処置対照鶏のリンパ系組織におけるリンパ球の組織分布を, 各種モノクローナル抗体を用いて比較検討した. 無処置対照鶏のハーダー腺ではT細胞はわずかに認められる程度であったが, Cy処理鶏のハーダー腺では, T細胞の増加が観察された. その増加したT細胞は, CD4陽性あるいはCD8陽性細胞であった. さらにTCR2あるいはTCR3抗体で染色されたが, TCR1陽性細胞は僅少であった. Cy処理鶏のファブリシウス嚢, 胸腺, 脾臓, 盲腸扁桃ではB細胞の減少, 消失が認められたが, T細胞の組織分布には差が認められなかった.
  • 荒木 誠一, 木村 誠, 鈴木 護, 藤木 昌俊
    1993 年 55 巻 5 号 p. 899-900
    発行日: 1993/10/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    子豚に活性卵白粉末(AEWP)2mg/kgまたは100mg/kgを1回経口投与すると, 投与1日後に末梢血好中球のラテックス粒子に対する貪食能を充進した. とくに, 100mg/kg投与では貪食活性が5日間持続した. AEWP30mg/kgを1週間経口投与すると, 投与期間中, 貪食能を亢進した. また, 投与中止後10日目の再投与により, 貪食能を亢進した. 以上の成績から, AEWPの経口投与は, 非特異的免疫能の増強効果を有することが明らかになった.
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