抄録
Actinobacillus pleuropneumoniae-RTX-toxin II (ApxII)をコードするappA遺伝子をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ, 本遺伝子は10型菌を除いた12の血清型菌に存在することが示された. 10型菌にはappAと弱い相同性を持った遺伝領域(Lhaと仮称)が存在した. 本遺伝領域の塩基配列を解析した結果, Lhaには, 本菌の持つ105-kDaヘモリジン, ApxIをコードするhlyIA遺伝子の一部と同様の塩基配列が存在した. Lha(hlyIA)配列は血清型10だけでなく血清型1, 5a, 5b, 9及び11型菌にも存在することが明らかになった. また, これらの血清型菌は羊血球に対し強い溶血活性を示し, マウスに対して高い病原性を示した. これらの結果から, ApxIは本菌の病原性に関与していることが示唆された.