抄録
インターロイキン-2(IL-2)依存性マウスT細胞(CTLL-2)に対する増殖活性がフィトヘマグルチニン-P(PHA-P)を用いて刺激したイヌ末梢血リンパ球(PBL)培養上清中に検出され, これをイヌIL-2とした. イヌIL-2の至適産生はイヌPBL2×106個/mlを10μg/ml濃度のPHA-Pを用いて38℃, 48時間刺激した場合に認められた. イヌIL-2活性は65℃の加温処理, pH 4以下の酸処理, pH 10以上のアルカリ処理およびトリプシン処理によって有意に低下した. イヌIL-2活性のピークはゲル濾過法によって分子量約31,000に相当する画分に認められた. イヌIL-2を用いたイヌリンパ球の10代以上にわたる長期培養はPHA-P刺激を3代毎に繰り返した場合に可能となった. 培養細胞は小ないし中型リンパ球が主体であった. これらの細胞は抗イヌ胸腺細胞家兎血清および抗イヌThy-1モノクローナル抗体に反応し, Tリンパ球系起源と考えられた. 正常犬由来PBLはイヌIL-2を用いて30日以上培養すると可移植性性器肉腫細胞に対し, 有意に高い細胞増殖抑制を示した.