Journal of Veterinary Medical Science
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実験用豚におけるメデトミジシ-ミダゾラムおよびメデトミジン-ミダゾラム-アティパメゾールの循環・呼吸器系におよぼす影響
西村 亮平金 輝律松永 悟林 慶田村 弘佐々木 伸雄竹内 啓
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1994 年 56 巻 2 号 p. 359-363

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抄録
実験用豚におけるメデトミジン(40μg/kg)-ミダゾラム(0.2 mg/kg)およびメデトミジン(40μg/kg)-ミダゾラム(0.2 mg/kg)-アティパメゾール(160μg/kg)の循環・呼吸器系におよぼす影響について検討した. メデトミジン-ミダゾラムを豚の筋肉内に投与すると, 全身および肺血管の収縮による動脈圧と肺動脈圧の軽度だが比較的急速な上昇が認められた. これらの血圧は投与5~10分後にはピークに達し, その後徐々に低下したが, 投与前値よりはやや高い値を維持した. しかしこれらの変化はいずれも軽度で, 生理学的変動の範囲内にあった. さらにこの組み合わせでは一般にα2アドレナリン作動薬で認められる徐脈と血圧上昇後に見られる低血圧を示さず, 呼吸器系の変化も小さかった. 一方メデトミジン-ミダゾラムを投与した豚にアティパメゾールを投与すると, 血管抵抗が大きく減少し, これにより血圧は低下し, 心拍出量と心拍数は増加したが, これらの変化も比較的小さく, 変化の持続時間も短かった. 以上から実験用豚におけるメデトミジン-ミダゾラムとアティパメゾールの循環呼吸器系におよぼす影響は小さく, 使用上の安全性も高いと考えられた.
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© 社団法人 日本獣医学会
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