Journal of Veterinary Medical Science
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56 巻 , 2 号
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  • 水谷 哲也, 前田 秋彦, 林 正信, 磯貝 浩, 波岡 茂郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 211-215
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウス肝炎ウイルス(MHV)のヌクレオキャプシド(N)蛋白質遺伝子に対するアンチセンスRNAあるいはセンスRNAを発現する細胞株におけるMHVの転写や複製について検討した. MHVの転写と複製を制御すると考えられるN蛋白質をコードするmRNA7に対するアンチセンスRNAあるいはセンスRNAを発現する形質転換DBT細胞におけるMHV-JHMの増殖をみると, 両形質転換細胞でのMHV増殖は非転換DBT細胞に比較して, 感染後9時間で95%, 12時間で99%抑制された. 感染後3.5時間目に抽出した感染細胞RNAのNorthern blotting解析によりMHV-RNA合成の抑制が明らかにされた. 以上から, MHV感染初期の段階でmRNA7に対するアンチセンスRNAおよびセンスRNAがウイルス複製を阻害することが示唆された.
  • 三角 一浩, 坂本 紘, 清水 亮佑
    1994 年 56 巻 2 号 p. 217-222
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    育成期の馬に対する水泳トレーニングの有効性を検討することを目的として, 従来実・施されている古典的な陸上トレーニングプログラムに水泳トレーニングを加え, 1)運動能力の変化, 2)体格の変化, 3)運動器疾患の発症頻度の3点について観察を行った. 2歳齢のサラブレッド馬24頭を用い, 8頭ずつ以下の3つの群に分け, A群;陸上トレーニングのみの群, B群;陸上トレーニングに水泳トレーニングを漸増的に加えた群, C群;陸上トレーニングに一定の水泳トレーニングを加えた群とした. 規定運動テストの結果, B群における速度と乳酸値の相関関係を示す回帰曲線においてのみ, トレーニングの進行に伴う有意な切片値の上昇を認めた. また, 体高の増加量はA群よりもB, C群で大きいのに対して, 胸囲, 体重の増加量はB, C群で小さい傾向が認められた. 実験期間中に観察された運動器疾患の発症頻度は, A群で62.5%, B群で12.5%, C群で25.0%であり, A-B群間では有意な差(p<0.05)が認められた. 以上のことより, 育成期の馬のトレーニング計画に水泳トレーニングを導入することにより, 運動器疾患の発症を減じ, その結果あらかじめ設定されたトレーニングメニューを円滑に進めることが可能となり, よって効率的に馬の運動能力を向上させることにも役立つことが示唆された. 可能となり, よって効率的に馬の運動能力を向上させることにも役立つことが示唆された.
  • 小河 孝, 石橋 和樹, 今村 和彦, 倉重 聖, 井上 忠恕
    1994 年 56 巻 2 号 p. 223-226
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    福岡県の11地域における牛流行熱(BEF)発生時の3変量疫学データ(牛と農家の発生率および予防液接種率)を用いて主成分分析を行った. 第1主成分はBEFの感染力を, 第2主成分はBEFに対する防御力をそれぞれ説明していた. 2つの主成分スコアによってこの11地域は疫学的に4群に区分けされた. これらの成績は西日本における予防液を用いたBEFの防疫対策をとる上で有益な情報を提供している.
  • 冨澤 伸行, 西村 亮平, 佐々木 伸雄, 中山 裕之, 廉沢 剛, 仙波 裕之, 竹内 啓
    1994 年 56 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    腰痿症状を呈した軽種若齢馬19頭(牡17頭, 発症年齢6-21ヵ月)の頸部X線検査所見と頸髄の病理組織学的所見の比較検討を行った. 頸椎のX線写真からminimum sagittal diameter (MSD), minimum flexion diameter (MFD)およびminimum dural sagittal diameter (MDD)を計測し標準値範囲と比較した結果, MSDが低値を示したものは19頭中14頭, MDDが低値を示したものは6頭であった. また, MFDが低値を示したものは5頭で, 全て屈曲位の脊髄造影写真で明らかな脊髄の圧迫像が認められた. 病理組織学的所見では, ほぼ対称に頸髄白質部の軸索および髄鞘の消失, 海綿状変化, マクロファージの出現を認め, 当該病変部位とX線所見の異常部位が一致したものは12頭であった. 6頭の後部頸椎の骨標本において, 左右の関節突起の不対称性の増大, 関節面の椎間孔への突出, 関節突起周囲の骨棘形成が認められた. 以上の結果, 若齢馬の腰痿の原因として頸椎の変形に起因する脊髄の圧迫変性が強く疑われた. このため, 頸部X線検査が診断上きわめて重要かつ有効な手段であると考えられた.
  • 八木 慎太郎, 八木 聖子, 福岡 珠里, 鈴木 正則
    1994 年 56 巻 2 号 p. 235-244
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    酵母グリセロアルデヒド3燐酸還元酵素遺伝子の一つであるTDH3遺伝子の上流転写活性化配列(UAS)を欠失変異法を利用して解析した. プロモーター領域を部分的に欠失させた断片の転写促進活性を, 酵母TDH3, またはADHIプロモーターと組み合わせ, 定量的に測定した. 一連の欠失変異配列を用いた検討から, -583から-434にある配列が完全な活性化機能に必要十分であることが判明した. またこの領域にRAP1結合配列が存在することを, ゲルシフトアッセイ, メチル化結合阻害アッセイにより示した. 驚いたことに, TDH3プロモーター断片との組み合わせにおいては, このRAP1結合配列のみを含む22塩基対の断片でも完全な活性に匹敵する機能を示すことが判明した. さらに詳細な検討から, GRF1結合配列, CATTCリピートがUAS領域に存在しており, これらの配列も転写促進機能に関与していることも明らかとなった.
  • Musbah O. M. TANIRA, Farouk F. EL-SABBAN, Mohamed A. FAHIM, Ibrahim A. ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 245-248
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウスを1日, 2日および3日間絶水し, その影響を血液パラメーターと光化学的に誘発した血栓について検討した. 脱水は血中尿素窒素, 血清総蛋白およびコレステロール値で確認した. 軟膜細動脈における血小板の凝集開始時間および塞栓形成は対照マウスに比べ脱水マウスでは有意に短縮しており, 脳血管血栓になりやすい状態であることが予測された. そこで脱水マウスにアセチルサリチル酸(ASA)10 mg/kg (i.p.)を投与して血栓形成傾向を緩和するかどうか検索した. マウスはASA投与前および光化学凝集処置前に24時間絶水した. ASA投与により脱水マウスにおける血小板の凝集開始までの時間ならびに血管の閉塞までの時間が有意に延長した. このことからASAには予防的効果があるものと考えられた.
  • 甲野 雄次, 鈴木 清示, 向井 哲哉, 岡崎 克則, 本多 英一, 山城 富男
    1994 年 56 巻 2 号 p. 249-253
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Bordetella bronchiseptica感染豚の抗体検出のためにホルマリン不活化B. bronchiseptica I相菌を抗原としたELISAを開発した. このELISAはBordetella bronchisepticaの莢膜抗原(K抗原)に対するIgGおよびIgA抗体を検出した. この方法を用いてB. bronchiseptica感染豚の抗体応答を調べた結果, 小量の移行抗体(凝集抗体価10倍以下, 平均ELISA値0.47)を持った豚では, 血中のIgG抗体は鼻腔中で大量の菌が増殖したのち平均4週目から, 鼻腔粘液中IgGおよびIgA抗体はそれぞれ1および2週目から増加した. 一方, 大量の移行抗体(平均凝集抗体価149, 平均ELISA値1.49)を持った豚では血中IgG抗体の産生が著しく抑制されると共に, 局所抗体の産生時期の遅延と産生量の著明な抑制とが認められた. このように, 移行抗体による抗体産生の抑制は, その量に依存し, 全身性抗体産生を強く抑制すると共に局所抗体産生にも強く影響した. しかし, その程度は全身性抗体の産生において強い様に思われた. 鼻腔粘液中の抗体の上昇と鼻腔中のB. bronchisepticaの消長については明らかな関係を見い出すことはできなかった.
  • 平 詔亨, 広岡 實, 佐伯 英治
    1994 年 56 巻 2 号 p. 255-258
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1984年8月, 鹿児島県指宿郡喜入町のM養豚場で捕獲したドブネズミから糞線虫を分離し, 以来, 現在までの8年間, ラットを用いて継代している. 本虫の寄生雌虫はその前部と後部の卵巣が捻転し, 計測値の平均値は体長2,493μm, 体幅34.5μm, 食道長720μm, 頭端から陰門までの長さ1,683μm, そして肝門から尾端の長さ54.4μmであった. 感染子虫のそれは体長544μm, 体幅15.6μm, そして食道長239μmであった. これらの形態と計測値はStrongyloides venezuelensisのものと一致した. 感染子虫をラットに経口投与, 皮下接種及び経皮的暴露したところ, 経口投与では感染しにくかったが, 皮下接種及び経皮的暴露では十分な感染が成立した. 本株をS. venezuelensis鹿児島株とする.
  • 小島 義夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 259-267
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ヤクシマ系山羊18頭の精巣を灌流固定し, 型の如く包埋・切片として電顕で調べた. 性細胞の中心子の対は減数分裂終了後, 精子細胞の核周辺, ゴルジ複合体近辺に位置するが, ゴルジ期には細胞膜に接近し, 頭帽期には核に附着する. 中心子の対の核への附着は, 核質表層に壁龕(niche)を形成し, はまり込む形で密着する. この時期からアクロゾーム期へかけて, 構成細胞等の膜系統と微細繊維等の細胞骨格の働きにより, 精子細胞の頭帽部が精細管基底膜方向へ, 尾部が管腔方向へと修正され定位が保たれる. アクロゾーム期では微小管群から成る外套(manchette)の働き等で頭部が整形される. この時期に頭部に陥合した近位中心子から中心子附属体(centriolar adjunct)が伸び出す. 附属体は遠位中心子(尾軸)に対してやや鋭角を成し, 約1μm程の長さまで頭部側面方向へ伸長し, 頭部整形の終るアクロゾーム後期に急速に消失する. 近位中心子とその附属体は, 結果として扁平な精子頭部の扁平方向と常に平行し, 遠位中心子由来の尾部軸蕊(2+9n+9本の繊維から成る)のNo.9繊維の方向と平行する. すなわち, 中心微細管対を両断する面と直交する面に対して一定して約25°の角度をもって横たわる(n=58). この配置は豚精子細胞でも同様な傾向があり, 附属体が頭部整形(扁平の方向)を先導していることが示唆され, 尾部鞭打運動との関係で, 精子の運動について重要な問題を提示している.
  • 阿久沢 正夫, 森園 充, 永田 建一, 早野 誠也, 坂本 紘, 安田 宣紘, 岡本 嘉六, 川崎 安亮, 出口 栄三部
    1994 年 56 巻 2 号 p. 269-273
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    アミラーゼを犬膵疾患の診断に応用するために, 正常犬と実験的急性膵炎犬における血清アミラーゼ活性, アミラーゼアイソザイム分画, アミラーゼ-クレアチニンクリアランス比(ACCR)を比較検討した. 正常犬のいずれの値も, 雄雌間に統計的有意差を示さなかった. 膵臓抽出液のアミラーゼ比活性は血清の2,300倍以上であったが, 他の組織(耳下腺, 下顎腺, 肺, 心, 肝, 脾, 膵, 十二指腸, 空腸, 回腸, 腎)は低く, いずれも血清より低値であった. 急性膵炎を誘発させるために膵組織内にクロロフォルムを投与すると, 白血球は6時間以降, 血糖は72から96時間に増加したが尿糖は検出されなかった. BUNと血清および尿のクレアチニンには有意な変動はなかった. ACCRは有意な変化を欠くものの, 96時間まで増加を示した. 血清アミラーゼ活性は3時間以降有意に増加し, そのアイソザイムは正常犬の3分画(Amy2-Amy4)に対し膵炎誘発後に4分画(Amy1-Amy4)となった. この新たなAmy1は1時間以降に出現し, 他の3分画と同じく6時間以降増加が認められ, 犬の急性膵炎の診断における血清アミラーゼとアイソザイム分画測定の有効性が示された.
  • 佐藤 公彦, 太田 利男, 伊藤 茂男, 中里 幸和
    1994 年 56 巻 2 号 p. 275-279
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ラット胃輪走筋におけるKCl, カルバコール(CCh)及びカフェイン収縮に対するダントロレンの作用を調べた. ダントロレンはKCl及びCCh収縮を濃度依存性に抑制したがカフェイン収縮には影響を与えなかった. 細胞内Caストアを涸渇させた標本でKClとCa又はCChとCaの同時適用により持続性収縮が生じ, 前者はニフェジピンによりほぼ完全に, 後者は部分的に抑制された. ダントロレンはこのKClとCa適用並びにニフェジピン存在下でのCChとCa適用による収縮を共に抑制した. これに対して, 細胞外Ca除去液中で見られるカフェイン収縮及びCCh収縮にはダントロレンは影響を与えなかった. 又, スキンド筋標本におけるCa収縮に対してもダントロレンは抑制作用を示さなかった. 以上の成績より, ダントロレンはラット胃平滑筋において, 細胞内CaストアからのCa放出機構及び筋収縮系に対する抑制作用はなく, ニフェジピン感受性及び耐性経路を介するCa流入を抑制することにより, KClやCCh収縮を抑制することが示唆された.
  • 平野 孝一, 足立 吉數, 石橋 幸子
    1994 年 56 巻 2 号 p. 281-286
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1日齢の鶏幼雛を用い, アフラトキシンB1(AFB1)投与の肝臓への障害作用に対する血清アルブミン(BSA)による防護作用について生化学的, 組織学的に検討を行った. AFB1投与量は肝臓に損傷を与える最小量である3 mg/kg体重を用いた. BSAは10% BSA生理食塩水の形で投与した. 肝臓の組織学的変化の比較は, 細胆管の増生, 肝細胞の空胞化及び壊死について実施した. 実験群は, AFB1のみ投与群, AFB1+BSA投与群, 対照群の3つを設定した. AFB1+BSA投与群では, 血漿中のイソクエン酸脱水素酵素の活性が対照群と同じであり, 血漿中及び肝臓中のAFB1濃度もAFB1のみ投与群に較べて, 有意に低く, 肝臓の組織学的変化の程度もより小さく, 従って, BSAによる防護作用が示された. AFB1のみ投与群及びAFB1+BSA投与群において, 血漿中及び肝臓中のAFB1濃度は投与後6時間後が最大であり, その後は急速に低下し, 72時間後には両群はほとんど同じ値になった. 1日齢の鶏幼雛では消化管で巨大分子を吸収しない事が知られているので, 今回の実験のBSAによる防護作用は, BSAが消化管内においてAFB1と結合し, その結果, AFB1の一部は吸収されることなく排出されることによるものと, 考えられた.
  • 林 正信, 古市 達哉, 任 暁明, 磯貝 恵美子, 野々山 明範, 波岡 茂郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 287-291
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マレック病由来リンパ腫株化細胞中において潜伏感染状態にあるマレック病ウイルス(MDV)DNAは高度にメチル化されている. 株化細胞中においてMDVのDNAからの転写は抑制されているが, この転写の抑制におけるDNAのメチル化の影響を検討するためにメチル化阻害剤である5-アザシチジン(5-AzC)でリンパ腫株化細胞MDCC-MSB1(MSB1)を処理した. 5-AzC処理によってMDVのDNAの低メチル化が引き起こされ, またMDVのDNAの一部の領域からのmRNA合成が増加した. これらの結果はリンパ腫株化細胞MSB1においてMDV DNAのメチル化がMDV DNAからの転写を抑制している要因の1つであることを示唆している.
  • 白幡 敏一, 下井 昭仁, 神田 博和, 後藤 仁, 中根 明夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 293-297
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Propionibacterium (P.) acnes接種マウスにみられるトキソプラズマ感染防御機構の一端を知る目的で, 本原虫感染に伴う内在性ガンマ・インターフェロン(IFN-γ)の出現状況を非接種の対照マウスと比較・検討した. P. acnes接種マウスでは本原虫感染6時間目より血中IFN-γの産生が認められ, 24時間目までの産生量は, 対照マウスに比較し, 有意に増加した. 本原虫感染と同時に抗マウスIFN-γ単クローン抗体を1回投与されたP. acnes接種マウスは全例が感染死したが, 感染3日目と4日目の投与ではともに8割のマウスが生残した. また, T細胞の機能阻害剤であるシクロスポリンA(Cs-A)を感染当日から3日間連続投与されたP. acnes接種マウスは全例が感染死するとともに, 感染1日目の血中と脾内IFN-γの産生が顕著に抑制された. 一方, 感染4日目からCs-Aを3日間連続投与された場合, 感染6日目の内在性IFN-γの産生が有意に抑制されるにもかかわらず, 8割のマウスが生残した. 抗アシアロGM1抗体はP. acnes接種マウスの感染抵抗性や内在性IFN-γの産生に特に影響を与えなかった. これらの結果は, P. acnes接種マウスにみられるトキソプラズマ感染防御機構では, T細胞に由来する感染早期のIFN-γが必須の役割を担うことを示唆している.
  • 鷲巣 月美, 石田 卓夫, 鷲巣 誠, 友田 勇, Kaneko J. J.
    1994 年 56 巻 2 号 p. 299-303
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    総胆管を結紮した犬を供試して, 胆管結紮後35日目までの血清胆汁酸分画の経時的な変化を調べるとともに, 結紮前後の胆嚢胆汁中の胆汁酸分画も行い, 胆汁欝滞時にみられる血清胆汁酸分画の変動について検討した. 胆管結紮後3日目にはTCが著増し, 総胆汁酸の90%以上を占めたが, TCDCおよびTDCはそれぞれ4.2-6.0%, 0.2-0.7%と著明に減少した. TCの占める割合は7日目, 14日目と次第に減少し, 21日目には全頭とも60-70%台となったが, TCDCは3頭とも次第に増加し, 3頭中2頭において14日目には20%以上に達した. また, GLCが, 結紮後3日目以降, 35日目まで持続的に血清中に認められた. 以上のことから, 総胆管結紮後の血清胆汁酸構成は正常犬のそれと大きく異なり, さらに時間の経過とともに変化することが明らかとなった. 胆管結紮犬の胆汁中の胆汁酸構成は血清胆汁酸構成と非常に類似しており, 血中への逆流が起きていると判断された. 本実験ではC:CDC比の増加が胆管結紮後早期にみられ, 3日目には15.4-22.3に達した. しかしながら, 14日目以降ではCDCの占める割合が増加し, C:CDC比は結紮前と同等あるいはそれ以下の値となった. このCDCの増加は胆管結紮後ある程度時間が経過してから認められており, 肝実質障害を示す指標としての意義が見いだせるのではないかと思われる.
  • 藤田 修, Sanabria Luis, Inchaustti Alba, DE Arias Antonieta R., 富沢 泰, 奥 祐 ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 305-308
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    パラグアイにおけるTrypanosoma cruzi高度流行地の一つであるサン・ペドロ県の5村にて, この病気の伝播に関与していると思われるT. cruziの保虫動物種の疫学的調査を実施した. 今回の調査では, 112頭の家畜類(ウシ, ウマ, ロバ, ブタ, イヌ, ネコ)および4頭の野生動物(アルマジロ, オポッサム)について調べた. 2種の直接観察法では全くTrypanosoma属虫体は認められなかったが, Liver infusion tryptose (LIT)培地による長期培養によりT. cruzi虫体がアルマジロ1個体から分離された. また, 直接凝集反応では, 全家畜の21.4%が陽性反応を示し, 特にネコとイヌが高い陽性率を示した. これらの結果より, 今回のパラグアイのT. cruzi流行地における保虫動物種としてアルマジロが挙げられるが, その他に血清学的検査で陽性を示したイヌ, ネコ, ブタおよびウシなどもこのT. cruziの伝播に何らかの関与をしていることが示唆された.
  • 喜多 功, 高槻 成紀, 千葉 敏郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 309-314
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    岩手県五葉山で各季節に捕獲された成熟雌ニホンジカの卵巣105対について, 黄体退縮物の組織学的観察を行った. ヘマトキシリンエオジン染色およびワイゲルトのレゾルシンフクシン染色による検査の限りでは, 妊娠黄体退縮物と副黄体退縮物の間には組織学的差異が認められなかった. 両者の形は共に不整形で, 厚い被膜にはよく発達した動脈を有し, 実質内には多数の小動脈が存在していた. これらの動脈には弾性線維の増生が認められ, 陳旧のものではエラストージスを示していた. 一個体が有するこれら両退縮物の総数は, 年齢と共に増加し, 両者とも7年以上卵巣内に残存すると思われた. 発情黄体退縮物は硝子様の小体で, 基質には少数の変性黄体細胞が散在していた. この退縮物は被膜および実質内の血管が乏しいことによって, 妊娠黄体退縮物と容易に区別することができた. 発情黄体退縮物は10月および11月にはしばしば認められたが, 2月および3月には殆ど認められなかったので, 排卵後3か月以内に消失するものと思われる.
  • 前田 誠司, 大迫 誠一郎, 九郎丸 正道, 林 良博, 西田 隆雄
    1994 年 56 巻 2 号 p. 315-320
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ニワトリ始原生殖細胞(PGC)の分化要因を解析する目的で, 孵卵6日齢の白色レグホン胚子の未分化生殖腺を免疫原として, 単クローン抗体を作製した. 免疫組織化学的解析(ABC法)の結果, PGC特異抗体2C9は, 生殖新月環(孵卵1日齢)に出現した一部のPGCに, はじめて反応性を示した. また, 胚盤葉下層にも同様の反応がみられることから, この時期に, PGCが, 本抗原を取り込むか, あるいは, その産生を開始すると推測される. その後, 移動期・定住期を経て, 性分化期直後までPGCの細胞質に顆粒状の陽性反応がみられた.雌においては, 孵卵8日目に反応が消失するが, 雄では, 10日頃から反応が減少し始め, 14日までに完全に消失する. これら雌雄のPGCsの反応消失は, それぞれ卵祖細胞, 精祖細胞分化期とほぼ一致することから, PGCが精, 卵祖細胞へ分化するとともに本抗原が消失すると考えられる. ニワトリ胚体内組織の交差反応は, 肝細胞, 消化管粘膜上皮, 中腎細管にみられ, 生殖腺も含め, これらの組織での免疫ブロッティングの結果, 109 kDaおよび, 64 kDaの2種のバンドが検出された. この結果から, 2C9抗体は, その局在部位を問わず, 同じ抗原を認識することが示唆された. この2C9抗体は, ニワトリ生殖細胞分化の有用なプローブとなるであろう.
  • 坂本 研一, 水越 紀子, アピワナコン バンチョン, 岩田 晃, 土屋 剛嗣, 上田 進, 今川 浩, 杉浦 建夫, 鎌田 正信, 福所 ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 321-327
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    アフリカ馬疫ウイルス血清型4(ワクチン株)の第2分節及び第6分節RNAの全塩基配列を決定した. 第2分節RNAの総塩基数は, 3229塩基であり, 第6分節は, 1556塩基であった. また, 第2分節RNAは, 1,060個のアミノ酸残基から成るVP2をコードするひとつのオープンリーディングフレームを有し, 第6分節は505個のアミノ酸残基からなるVP5をコードしていた. それぞれ推測される分子量は, VP2で124, 178, VP5で56, 793であった. さらに, 5'及び3'端のターミナルシークエンスは, 第2分節RNAで5'GTTTAA...と...ACATAC3', 第6分節RNAでは5'GTTTAT...と...ACATAC3'であり, どちらともオルビウイルスで特徴的なターミナルシークエンスである5'GTTAAA...と...ACTTAC3'との間で相違が認められた. ブルータングウイルスの対応する分節と比較したところ, VP2遺伝子の塩基配列の相同性は53%で, アミノ酸では23%であった. VP5遺伝子の塩基配列の相同性は58%で, アミノ酸では46%であり, これらウイルス間で部分的によく保存されていた. 同様に, 血清型4のワクチン株と強毒株との比較において, VP2遺伝子の塩基配列では91%, アミノ酸配列で96%の相同性を示し, VP5遺伝子においては, 塩基配列, アミノ酸配列とも98%の相同性を示した.
  • 大上 美穂, 牧田 登之
    1994 年 56 巻 2 号 p. 329-333
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    脂肪酸のβ酸化系に関与する酵素であるCarnitine acetyltransferase (CAT)について, ラットの肩甲間褐色脂肪組織における組織化学的な局在を検索した. 針状の反応産物は, ミトコンドリアのクリステと内膜に局在していた. 脂肪滴と接したミトコンドリアでは, 接触部分のクリステが崩壊しているにもかかわらず, 残っているクリステにはCAT活性が認められた. しかし, 脂肪滴の中に内包されたミトコンドリアのクリステにはCATの局在が認められなかった. これらは前報のハムスターの褐色脂肪でみたのと同様に, 脂肪細胞におけるミトコンドリアと脂肪滴の深い関係を示唆している. また先に報告したジストロフィーマウスでも, 脂肪滴に隣接したり, 脂肪滴を含んだミトコンドリアでは, CAT活性が局在していないこととも関連があると考えられる. ラットの肝臓において, ペロキシゾームを増加させ, 血中のトリグリセリドを低下させることが知られている薬剤の一つであるベザフィブレートは, CAT活性も非常に上昇させ, とくに雄では雌に比べて効果が大であると報じられている. このベザフィブレートを0.5%餌に混ぜて1または2週間投与すると, 褐色脂肪においてもCAT活性は有意に上昇した. しかし, 肝臓の場合のように性差は1週間では認められず, 2週間ではじめて明らかになった. また, 電顕組織化学的なCAT活性の局在は対照群のものと同様であり変化をみせなかった.
  • アルカーミ T., ダール F. K., ウイ ホンキェン
    1994 年 56 巻 2 号 p. 335-339
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験的二次多包虫症のマウスにおいてシストの発育は2相性の発育(抑制された発育期間とそれに続く転移・進行型の発育)が認められた. 虫体の投与量(5, 50または250シスト)及び投与経路(腹腔内または皮下)はシストの発育, 脾臓の肥大やアミロイドの沈着に対して顕著な影響は見られなかった. また, 多包虫の可溶性タンパク質の抽出物質をマウスに腹腔投与するとアミロイドの沈着が観察された. 以上の結果により, 多包虫の可溶性成分が多包虫症における病理発生の主な因子であることが示唆された.
  • 高岡 雅哉, 真鍋 淳, 矢本 敬, 寺西 宗広, 松沼 尚史, 増田 裕, 後藤 直彰
    1994 年 56 巻 2 号 p. 341-346
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    3-amino-1, 2, 4-triazole(ATZ), 3-mercapto-1, 2, 4-triazole(MTZ)および3-nitro-1, 2, 4-triazole(NTZ)は, 1, 2, 4-triazole(TZ)の3位置換基が異なる化合物である. これらの化合物と母核であるTZのラットの甲状腺に対する作用を比較した. ATZ, MTZおよびNTZ投与群では, 濾胞上皮細胞の増生およびコロイドの減少を示す甲状腺腫大が観察された. 血清中thyroid-stimulating hormone (TSH)濃度の上昇と甲状腺ホルモン(triiodothyronine: T3, thyroxine: T4)濃度の減少が認められた. これらの化合物はin vitroおよびin vivoで甲状腺ペルオキシダーゼ(thyroid peroxidase: TPO)活性を阻害した. この作用は, MTZで最も強く, NTZで弱かった. TZは, in vivoおよびin vitroでともに抗甲状腺作用を示さなかった. 乳腺ペルオキシダーゼを用いたLineweaver-Burkの解析により, ATZ, MTZおよびNTZはいずれも競合拮抗型の阻害形式であった. したがって, MTZとNTZはATZと同様にラットのTPOを阻害し甲状腺腫誘発作用を発現し, TZの3位の位置は甲状腺腫を誘発するために重要であると考えられる. TZの3位の置換基と抗甲状腺作用の関係を比較すると, メルカプト基はアミノ基より強い抗甲状腺作用を持っており, ニトロ基はその作用が最も弱いと考えられ, 3位を置換したTZ誘導体の抗甲状腺作用の強さの差は, 置換基に依存していることが示唆された.
  • 水越 紀子, 坂本 研一, 岩田 晃, 上田 進, 鎌田 正信, 福所 秋雄
    1994 年 56 巻 2 号 p. 347-352
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    アフリカ馬疫ウイルス(AHSV)血清型4(ワクチン株)の第5分節RNA(NSI遺伝子)に対するプライマーを用い, グアニジンチオシアネート・フェノール・クロロホルム法によって感染細胞から抽出したウイルスRNA(mRNA・dsRNA)を鋳型にRT-PCRを実施し, AHSVの効率的な検出条件について検討した. その結果, 供試した4対のプライマーのうちの1対(NP2-NP32)がAHSVワクチン株の8つの血清型すべてにおいて効率よくDNAを増幅した. 当該プライマーは, 他の10種のオルビウイルス, 使用した非感染細胞では反応せず, その特異性が確認された. 検出感度を調べたところ, 106TCID50のAHSVを感染させた単層細胞のうち約1~2個の細胞から検出可能と思われた. AHSVのNSI遺伝子を標的とするRT-PCR法は, すべての血清型のAHSVを検出する迅速手法として優れていると考えられる.
  • 小尾 岳士, 我部山 厚, 西尾 晃
    1994 年 56 巻 2 号 p. 353-357
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウマから摘出した冠動脈リング標本は, ノルエピネフリン(NE)により用量依存性の収縮反応を示した. この収縮反応は, 内皮を除去しても影響を受けなかった. プラゾシンン(α1-アドレノセプター拮抗薬)は, この収縮反応を抑制したが, ヨヒンビン(α2-アドレノセプター拮抗薬)は効果を示さなかった. プロプラノロール(β-アドレノセプター拮抗薬)は, この収縮反応を増大させた. フェントラミン(α-アドレノセプター拮抗薬)の前処置は, ONO11113(トロンボキサンA2誘導体)で収縮させた冠動脈でのNEによる収縮反応を弛緩反応に転じさせた. この弛緩反応は, 内皮を除去しても影響を受けなかった. プロプラノロールおよびアテノロール(β1-アドレノセプター拮抗薬)は, この弛緩反応を抑制したが, ブトキサミン(β2-アドレノセプター拮抗薬)は抑制しなかった. これらの結果より, ウマ冠状動脈のNEによる収縮反応は平滑筋のα1-アドレノセプターの刺激により調節されており, また平滑筋のβ1-アドレノセプターの刺激は弛緩反応を引き起こすことによって収縮反応を修飾していることが示唆された.
  • 西村 亮平, 金 輝律, 松永 悟, 林 慶, 田村 弘, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1994 年 56 巻 2 号 p. 359-363
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験用豚におけるメデトミジン(40μg/kg)-ミダゾラム(0.2 mg/kg)およびメデトミジン(40μg/kg)-ミダゾラム(0.2 mg/kg)-アティパメゾール(160μg/kg)の循環・呼吸器系におよぼす影響について検討した. メデトミジン-ミダゾラムを豚の筋肉内に投与すると, 全身および肺血管の収縮による動脈圧と肺動脈圧の軽度だが比較的急速な上昇が認められた. これらの血圧は投与5~10分後にはピークに達し, その後徐々に低下したが, 投与前値よりはやや高い値を維持した. しかしこれらの変化はいずれも軽度で, 生理学的変動の範囲内にあった. さらにこの組み合わせでは一般にα2アドレナリン作動薬で認められる徐脈と血圧上昇後に見られる低血圧を示さず, 呼吸器系の変化も小さかった. 一方メデトミジン-ミダゾラムを投与した豚にアティパメゾールを投与すると, 血管抵抗が大きく減少し, これにより血圧は低下し, 心拍出量と心拍数は増加したが, これらの変化も比較的小さく, 変化の持続時間も短かった. 以上から実験用豚におけるメデトミジン-ミダゾラムとアティパメゾールの循環呼吸器系におよぼす影響は小さく, 使用上の安全性も高いと考えられた.
  • 野村 紘一
    1994 年 56 巻 2 号 p. 365-369
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬に脱落膜腫が形成されるか否かな, げっし類の脱落膜腫誘起法を用いて検討した. 着床を阻止した左子宮角について, 着床期相当の黄体期に鋼線で創傷刺激を加えたり, 絹糸を挿入したり, あるいはオリーブ油や生理食塩液を注入した. このうち, 前二者の刺激によって, 妊娠早期の正常胎盤組織に極めて類似した子宮内膜嚢胞性増殖が誘起された. これらの子宮内膜嚢胞性増殖は肝以外の人工的刺激によって誘起された脱落膜様組織反応で, いわゆる犬の脱落膜腫に相当するものと考えられた.
  • 浜岡 隆文, 寺門 誠致
    1994 年 56 巻 2 号 p. 371-373
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    気腫疽菌と悪性水腫菌のホルマリン不活化菌体およびEDTA可溶化抗原に対する抗血清を用いた間接蛍光抗体法を行い, 両菌種の表層共通抗原について検討した. 互いに交差凝集性を示さない両菌種の抗菌体血清は全て320倍以上の力価で非対応抗原と反応し, 菌体表層に特異蛍光を認めた. 菌体凝集活性を持たない抗EDTA抗原血清も同様の結果であった. 以上の結果は, 両菌種が菌体表層に凝集反応で検出できない共通抗原を持つことを示唆している.
  • 朝岡 秀行, 松田 治男
    1994 年 56 巻 2 号 p. 375-377
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を有するHanganutziu-Deicher(HD)抗原を検出できる2種の鶏型単クローン抗体(HU/CH2-7とHU/CH6-1)は,フローサイトメトリで牛,羊及び馬赤血球と反応した.トリプシンやノイラミニダーゼ処理赤血球を用いたフローサイトメトリ解析やウェスタンブロット解析から,2種の単クローン抗体のうちHU/CH2-7は,3種赤血球からHD抗原特異的糖蛋白質を検出することができた.
  • Anuchai PINYOPUMMIN, 高橋 芳幸, 鄭 煕泰, 菱沼 貢, 金川 弘司
    1994 年 56 巻 2 号 p. 379-380
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウスの排卵卵子を7%エタノールにより活性化した後,サイトカラシンBにより単為発生卵を作出し,胚盤胞への発育に及ぼす卵丘細胞の存在とエタノール処理時間( 1,4および7分)の影響を調べた.その結果,エタノール処理時間の短縮により胚盤胞への発育率が増加した.胚盤胞への発育率には卵丘細胞の有無による影響はみられなかったが,エタノール処理1および4分では,卵丘細胞の付着した場合に胚盤胞の細胞数が増加した.
  • 河村 美奈, 大橋 文人, 西村 亮平, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1994 年 56 巻 2 号 p. 381-383
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬の尿毒症物質と疑われるピリジン誘導体(S7a),尿酸(UA),馬尿酸(HA)およびキヌレニン酸(KA)の血漿濃度を実験的および自然発生尿毒症犬ならびに正常犬において測定した.実験的尿毒症犬ではS7a,HAおよびKA濃度は腎動脈結紮後,経時的に増加しクレアチニン濃度(Cre)と有意な相関を示したが,UA濃度は急激な増加の後変動しCreとの相関はみられなかった.また,自然発生尿毒症犬においても実験的尿毒症犬と近似した値であった.
  • 高橋 敏雄, 田村 豊, 遠藤 裕子, 原 稔生
    1994 年 56 巻 2 号 p. 385-387
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Erysipelothrix rhusiopathiae6株とErysipelothrix tonsillarum7株について,ガスクロマトグラフィーにより菌体脂肪酸の組成を調べた.供試菌株では炭素数C10からC18までの脂肪酸が検出された.脂肪酸組成の特徴は,C18:1 (cis-9) (cis-9-オクタデセン酸;72.4~82.1%)とC16:1 (へキサデセン酸;8.7~13.7%)の含有比率が高いことであった.E. rhusiopathiaeとE.tonsillarumの菌体脂肪酸組成は非常に類似しており,両菌種を菌体脂肪酸の質的又は量的な違いによって識別するのは難しいと考えられた.
  • 清水 実嗣, 山田 俊治, 村上 洋介, 両角 徹雄, 小林 秀樹, 三谷 賢治, 伊東 伸宜, 久保 正法, 木村 久美子, 小林 勝, ...
    1994 年 56 巻 2 号 p. 389-391
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ヘコヘコ病発病豚の病原学的検索を行った.その結果,血清と肺よりPRRS ウイルスが,また肺よりMycoplasma hyorhinis(Mhr)が高率に分離された.無菌豚に分離ウイルスChiba92-1株を接種したところ,全葉性の増殖性間質性肺炎が再現され,ウイルスが長期間回収された.肺炎はMhrとの重感染例において重度化する傾向にあった.以上の成績から,わが国にPRRSウイルスが存在し,本病の発生に同ウイルスが関与することが明らかとなった.
  • 稲元 民夫, 高橋 洋匡, 山本 孝史, 中井 裕, 扇元 敬司
    1994 年 56 巻 2 号 p. 393-394
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1970-1981年および1989-1991年に分離されたMycoplasma hyopneumoniae39株について薬剤感受性試験を行った.その結果,テトラサイクリン系薬剤の抗菌力低下が認められた.他方,リンコマイシン,チアンフェニコールおよびマクロライド系薬剤は比較的高い抗菌力を示し,チルミコシン,アセチルイソバレリルタイロシンおよびミロサマイシンのような新しいマクロライド系薬剤も従来のものと同程度の抗菌力を示した.
  • 門田 耕一, 中島 弘美, 野村 靖夫
    1994 年 56 巻 2 号 p. 395-397
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    2から3歳,雑種,雌豚の脾臓に,過誤芽腫による多発性病巣を認めた.病巣を構成する細胞の大部分は,著しく不規則な核と半デスモソーム様構造を特徴とし,脾臓の細網細胞由来と考えられた.これらの細胞は異型性を伴い,浸潤性の増殖態度を示すことから,病変は真に腫傷性であると判断された.
  • 丸山 総一, 山許 和昭, 勝部 泰次
    1994 年 56 巻 2 号 p. 399-401
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬回虫卵感染後5日の日本ウズラ肝臓より回収した幼虫200隻をddy系,8週齢,雄マウスに経口投与し,投与後6時間目から120日目まで諸臓器中の幼虫寄生状況を検討した.臨床症状は認められなかったものの,肝臓から21.5±16.3隻,肺から5.1±6.0隻,腎臓から0.7±1.1隻,小腸から1.0±2.0隻,腸間膜から1.6±3.1隻,脳から7.8±6.8隻の幼虫がそれぞれ回収された.
  • / 立山 晉, 内田 和幸, 内藤 裕司, 山口 良二, 大塚 宏光, Hiromitsu OTSUKA
    1994 年 56 巻 2 号 p. 403-405
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1980年から1989年の10年間に宮崎大学で検索された家畜腫瘍材料,2,907例中486例(16.1%)に腫瘍が認められた.今回の検索では,イヌの腫瘍が特に多かった.犬猫などの小動物では,皮膚および乳腺の腫瘍が多く,ウシでは白血病や中皮腫等が比較的多かった.今回の検索では,過去の本大学の調査と比較して,より多くの家畜腫瘍が収集・検索されたが,腫瘍の発生動向に大きな変化は見られなかった.
  • 千田廉 , 豊澤敬一郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 407-410
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ラットの海馬脳波では,自発運動時(Type-1 behavior)にRSA(Rhythmic Slow Activity)が観察される.しかし,このRSAの両側海馬における違いや片側の機能的有意性については明らかではない.そこで,歩行時の両側海馬RSAの周波数分布について歩行行動の前後の行動を基準に解析した結果,両側海馬の周波数分布は歩行行動の前行動によって変わり,海馬での機能的ラテラリティーの存在が示唆された.
  • 芹川 慎, 伊藤 俊輔, 八田 忠雄, 草刈 直仁, 仙名 和浩, 平棟 孝志, 菊池 直哉, 梁川 良
    1994 年 56 巻 2 号 p. 411-412
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Corynebacterium pseudotuberculosis毒素に対するELISA抗体陰性の子羊を初めて毛刈し,肉眼で見える創傷を負った子羊を無作為に2群に分けた.一方の群の子羊には毛刈後直ちに創傷にヨードチンキをスプレーで塗布し,他方の群は無処置の対照群とした.毛刈3ヶ月後,抗体陽転率はスプレー群では対照群より有意に低かった(P<0.05).ヨードチンキの毛刈創傷へのスプレー塗布はめん羊の乾酪性リンパ節炎の予防に有効と考えられる.
  • 白井 明志, 有嶋 和義, 政岡 俊夫, 高木 博隆, 山本 雅子, 江口 保暢, 赤堀 文昭
    1994 年 56 巻 2 号 p. 413-414
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ラット胎子動脈管に対するパラコート(PQ)の作用を検索した.PQを25mg/kgの用量で妊娠19~21日のラットに剖検前3時間に投与した.胎齢19日の午後1時に剖検した胎子では,動脈管の収縮はみられなかったが,胎齢19日の午後4時以降に剖検した胎子では有意な動脈管の収縮がみられた.これらの結果は,PQは胎子動脈管に対して収縮作用をもち,その収縮の臨界期は胎齢19日の前半であることを示すものである.
  • 吉深 未来, 岡田 利也, 森川 嘉夫, 佐々木 文彦, 木曽 康郎
    1994 年 56 巻 2 号 p. 415-416
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ナチュラルキラー(NK)細胞欠損C57BL/6J-bg/bgマウスおよび機能的T・B-リンパ球欠損C.B-17/Icr-scid/scidマウスの間膜腺における顆粒性間膜腺(GMG)細胞数を妊娠12日目で対照群と比較した.GMG細胞数はミュータントマウスと対照群の間で有意な差はなかった.これは子宮NK細胞であるGMG細胞がbeigeマウスでも正常に分化・増殖でき,その分化は機能的T-およびB-リンパ球によって影響されないとするこれまでの観察結果を形態計測的に支持している.
  • 大西 堂文, 志水 孝臣, 梶川 武次
    1994 年 56 巻 2 号 p. 417-419
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    o-Phosphorylethanolamine(PEA)-Sepharose 4BによるアフィニティクロマトグラフィとSephacryl S-300によるゲル濾過を組み合わせ,犬血清中C-反応性タンパクの効率的で簡便な精製方法を確立した.
  • 渡辺 清隆, 坂下 幸久, 折野 宏一, 山本 晋二
    1994 年 56 巻 2 号 p. 421-423
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    4種類の普通に認められるホモ接合型ウシ血清トランスフェリン(TfA,TfD1, TfD2,およびTfE)は,ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動(PAGIEF)において,いずれも2本の主要バンドしか示さなかった.これは,PAGIEFにおいては,主要成分2aと2bが共泳動し,また,主要成分3aと3bが共泳動することによると考えられた.4つの対立遺伝子TfA,TfD1, TfD2およびTfEによって支配される10種類のトランスフェリン表現型は,PAGIEFで互いに区別され得た.
  • 佐原 啓二, 村越 正典, 仁科 徳啓, 記野 秀人, 筒井 敏彦
    1994 年 56 巻 2 号 p. 425-427
    発行日: 1994/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    CAP含有ペレット剤の皮下移植法に起因する病理学的変化を調べるため,2.5~25mg/kgを2年間移植した雌犬14頭について検索した.5mg/kg以上移植犬において,黄体欠如,子宮内膜上皮の用量依存的な過形成および乳腺の軽度な増殖を認めた.この他には著変を認めなかった.CAP起因性の病理学的変化の欠如または軽度の主要因は,ペレット剤の皮下移植により血中CAP濃度が低値に安定しているためと思われた.
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