抄録
Clerodendron trichotomumレクチンで分類されるイヌの血液型(C型;凝集, c型;非凝集)において, 乳腺腫瘍罹患後cからC型に変換した血液型をcm型, c型シアリダーゼ処理血球をcn型とし, 赤血球膜上エピトープ濃度・分布状況をFITC標識レクチンを用いフローサイトメトリー分析した. C, cm, cn型血球の陽性率は49.3%, 43.8%, 81.0%であった. C型とcn型では陽性率に差があった. cm型は, 陰・陽の二峰性となり, 陽性ピークの出現は腫瘍による赤血球膜表面糖鎖の変化を示唆した.