Journal of Veterinary Medical Science
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56 巻 , 3 号
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  • 岩佐 光啓, 川田 文子, 依田 美穂, 石黒 直隆, 品川 森一
    1994 年 56 巻 3 号 p. 429-432
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    年間1,300から1,400頭の育成牛を放牧する牧場において2年間にわたり伝染性角結膜炎(IBK)の発生について調査した. 週1回, Moraxella bovis感染症の有無を臨床的に診断し, 感染牛の目およびクロイエバエ(Musca bezzii Patton et Cragg)からM.bovisの分離を行った. 観察期間中, 1991年では10.7%の育成牛が, また1992年では5.3%の育成牛がIBKに感染した. 生化学性状検査およびサザンブロット解析により目拭い液からの8株がM.bovisと同定されたが, クロイエバエから本菌は分離されなかった. プラスミドプロファイル解析により8株すべてが35kbと4.0kbの2種類のプラスミドを保有していた. このことは, 特定のM.bovis株がこの育成牧場に広く浸潤していたことを示している.
  • 佐々木 隆志, 深見 直, 波岡 茂郎
    1994 年 56 巻 3 号 p. 433-437
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ブタ由来Bifidobacterium thermophilumのPG経口投与による感染防御能の増強を検討するため, 34日齢のSPF ICRマウスに各濃度のPGを1回経口投与し, 24時間後に子ブタ肺由来大腸菌を尾静脈に接種, その後7日間観察し生残率を求めた. 各濃度PGの経口投与群は非投与対照群に比べ, 有意に高い生残率が得られ, またPGの効果発現の適正濃度が(500μg/マウス)確認されると同時に適正濃度以上のPGを経口投与すると逆に生残率が減少する結果が得られ, 高濃度では該物質は抑制的に作用することが示唆された. さらに500μg濃度のPG経口投与マウスにおける大腸菌感染防御能の持続期間を検討したところ, PG経口投与群は1日後から7日後に大腸菌を接種してもその生残率は非投与対照群に比べ有意に高い結果が得られた. 大腸菌接種24時間後のマウス末梢血, 肝臓および脾臓中の大腸菌数は, PG経口投与群は非投与対照群に比べ, 末梢血および肝臓中大腸菌数が有意に少なかった. また, PG経口投与群の脾臓由来単核細胞の幼若化反応は非投与群のそれに比べ高まることが明らかとなった. これらのことからPG経口投与によって肝臓での大腸菌殺菌能が昂進され, 結果的にマウスの生残率が上昇することが示唆された.
  • 廣田 泰, 九郎丸 正道, 松元 光春, 林 良博
    1994 年 56 巻 3 号 p. 439-442
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ゴールデンハムスター精巣のビタミンA欠乏状態, およびビタミンA再投与による精子発生再開時のステージ同期化について, 光顕を用いて調べた. 雄ゴールデンハムスターに3週齢よりビタミンA欠乏(VAD)飼料を与え飼育した. 13週齢で体重は最高の130gに達したが, この時期に精巣では精子発生が明らかに認められた. その後17週齢で体重減少が始まり, 19週齢で100g, 22週齢で70gまで減少した. 100gに減少した際, 精細管内に精子および伸長した精子細胞は観察されなかった. 70gに減少した時期には, 精細管内にはセルトリ細胞, 精祖細胞, および少数の精母細胞が観察されたのみで, 精子発生は停止していた. また体重が70gに減少した時期にVADハムスターにレチノールアセテイト(ビタミンA)2mgを腹腔内投与し, その後通常飼料にて飼育した. このビタミンA投与群では精子発生は再開し, ビタミンA投与後9, 10, 11週目では精細管内に連続した数ステージのみが観察された. すなわちゴールデンハムスターにおいて精細管ステージ同期化が確認された.
  • Animas Samuel B., 大槻 公一, 花山 光伸, 實方 剛, 坪倉 操
    1994 年 56 巻 3 号 p. 443-447
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)感染に対する日齢の違いによるヒナの感受性の違いについて, 腎炎型IBV鹿児島-34株を用いて検討した. 2, 4及び6週齢のSPFヒナそれぞれの日齢につき4羽を用意し, 個々のヒナにウイルスを106.0CD50を気管内接種した. その結果, 2週齢ヒナが最も重篤な呼吸器症状を表し, 下痢便の排泄も長期間続いた. 2羽が死亡した. 4及び6週齢ヒナの場合は軽微な臨床症状を現したのみであった. 血清中の接種IBVに対するウイルス中和抗体は2週齢ヒナの場合, 重篤な症状を示したにもかかわらず, ウイルス接種後5週間以前には検出されず, 12週間後以降には臨床症状が完全には消失していないのに検出できなかった. 4及び6週齢ヒナではウイルス接種後4週間後には検出され, 実験が終了した20週間目まで消失しなかった. 接種したIBVはすべての日齢のヒナの糞から20週間近くは回収されたが, 2週齢ヒナの場合が最も長かった.
  • Animas Samuel B., 大槻 公一, 坪倉 操, Cook Jane K. A.
    1994 年 56 巻 3 号 p. 449-453
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    2及び6週齢ヒナの鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)感染に対する感受性について, 腎炎型IBV鹿児島-34株を実験的に感染させ比較検討した. まず, ウイルス感染ヒナから血清, 胆汁, ハーダー腺, 涙液, 唾液, 気管洗浄液を定期的に採取し, ウイルス中和テストによりこれら体液中における抗体を測定した. 血清及び胆汁中においては6週齢ヒナの方が2週齢ヒナよりも抗体は早期に出現し, しかも抗体価も高かった. 他の体液中の抗体は6週齢ヒナで早く出現したが, 両日齢群の間に明らかな抗体価の差異は認められなかった.感染実験は2回行ったが, 2回とも2週齢ヒナのほうが重篤な臨床症状を示した. 気管からのウイルスの回収を行ったが, 両ヒナ群の間に明らかな差異は認められなかった. しかし, 肺, 腎臓及び結腸からは2週齢ヒナのほうが, 6週齢ヒナよりもウイルスが長期間回収された.
  • 中久喜 正一
    1994 年 56 巻 3 号 p. 455-458
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌの肺の気管支系および肺動・静脈系にcelluloidのacetone溶液を注入して鋳型標本を作り, 比較解剖学的見地から気管支分岐と肺葉の関係について調べた. 気管は左右の気管支に分かれ, 左右の気管支から葉気管支および区域気管支が起こる. これらの気管支は起点から, 背側気管支系, 外側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系に大別できる. 右肺の前葉は背側気管支系の第1枝で, 中葉は外側気管枝系の第1枝で, 副葉は腹側気管支系の第1枝で形成される. 残りの背側気管支系, 外側気管支系, 腹側気管支系の気管支および内側気管支系の気管支は後葉を形成する. 左肺では前葉気管支を欠除し, 外側気管支系の第1枝がよく発達して2枝に分かれ, それぞれ肺葉を形成する. これら2葉が左肺の中葉で, それぞれ現在の家畜解剖学で前葉の前部, 後部と呼ばれている部分に相当する. 残りの外側気管支系の気管支と背側気管支系, 腹側気管支系および内側気管支系の気管支は後葉を形成する.
  • 山田 治, 阿部 光雄, 竹花 一成, 岩佐 憲二, 平賀 武夫
    1994 年 56 巻 3 号 p. 459-464
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ妊娠黄体の大型黄体細胞はステロイドホルモン産生細胞の特徴を有している.そのミトコンドリア内にはミトコンドリア内小体Intramitochondrial body(IMB)が認められた. このIMBの三次元的構造および分娩後黄体の退行に伴うIMBの変化をSEMで観察したところ以下のことが明らかになった. 1)IMBは径0.1~1.5μmの球形または卵円形で, 表面は粗造, 割断面は均質であり, 表面構造の変化は, 妊娠の経過に伴って徐々に平滑になった. 2)分娩直前の大型黄体細胞は細胞突起が脱落していた. 分娩直後の大型黄体細胞は,細胞表面の平滑化, 絨毛状のクリスタを持つミトコンドリアの消失, 脂肪滴の大型化などの細胞レベルでの妊娠黄体退行の初期段階を示した. 3)分娩後, IMBは黄体退行に伴う大型黄体細胞の変性崩壊により細胞外に露出し, 毛細リンパ管に取り込まれ所属リンパ節に運ばれて処理されると考えられた.
  • 柴田 勲, 宇留野 勝好, 鮫ケ井 靖雄, 岡田 宗典, 稲葉 右二
    1994 年 56 巻 3 号 p. 465-468
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    豚肺胞マクロファージ(AM)における豚オーエスキー病ウイルス(ADV)のin vitroとin vivo の増殖性について強毒株とワクチン株を用いて検討した. ワクチン株にはチミジンキナーゼおよびgIII遺伝子欠損株を使用した. in vitroにおいて, AMは強毒株の感染に対して高い感受性を示した. 強毒株の細胞およびその培養上清中のウイルス感染価は, 接種後84時間で107.3TCID50/ml以上あった. 一方, ワクチン株の感染に対してAMは低感受性で, 接種後84時間の培養上清中のウイルス感染価は102.3TCID50/mlであった. 次に, AMにおけるADVのin vivoの増殖性を検討するために,強毒株とワクチン株を鼻腔内接種した豚から経時的にAMを採取してウイルス分離を実施した. その結果, 強毒株を接種したすべての豚のAMサンプルから接種後2日~22日目にウイルスが分離された. 一方, ワクチン株を接種したAMサンプルからはウイルスは分離されなかった. 本結果は, ADVの強毒株がin vivoの豚AMで比較的長い間増殖することを示している.
  • 荘 文忠, 杉本 千尋, 松葉 隆司, 新沼 伸吾, 村田 美栄, 小沼 操
    1994 年 56 巻 3 号 p. 469-473
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Theileria sergenti福島株に対するモノクローナル抗体(MoAb)を作製し, これらの抗体と千歳株に対するMoAbのパネルを用いたウェスタンブロットより, 日本各地で分離されたT. sergenti株の抗原性状を調べた. これらのMoAbsはピロプラズム主要表面抗原蛋白質である23および32キロダルトン蛋白質(p23およびp32)と強く反応した. 国内分離株17株とMoAb6種との反応パターンは株間で異なっており, T. sergentiの抗原多様性が明らかとなった. しかし, 地域による抗原型の偏りは認められなかった. ピロプラズム表面抗原のp23のN-末端アミノ酸配列分析では新得, 千歳株での間で差異が見られた. p23のN-末端アミノ酸配列はp32のcDNAから予想されたアミノ酸配列中には見出せないことから, p23はp32の断片ではないことが示された. p32のcDNAプローブを用いたサザンブロットの解析ではT. sergenti p32遺伝子の分離株間における遺伝的多様性も示された.
  • 森田 幸雄, 丸山 総一, 勝部 泰次
    1994 年 56 巻 3 号 p. 475-479
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1988年から1990年の3年間に, 群馬県内のG食肉処理場で, 処理された豚1,776,294頭中4,919頭(0.28%)に非定型抗酸菌症が発見された. 結核様結節の多くは, 下顎リンパ節(64.4%)と腸間膜リンパ節(29.0%)にみられた. 上記の食肉処理場に出荷している1,200養豚場のうち4農場に集団発生が, 870農場に散発的な発生がみられた. 1988年9月から1989年12月の間に発見された2,076頭中231頭について病変部ならびに胃, 盲腸内容からの非定型抗酸菌の分離を試みた. 結核様病変がリンパ節のみにみられたもの219頭中141頭の病変部から, 肝臓または実質臓器とリンパ節の両者にみられたもの12頭中12頭の病変からMycobacterium avium-intracellulare complex(MAIC)が分離された. また, 細菌検査を実施した231頭のうち11頭の胃内容および6頭の盲腸内容からMAICが分離された. 分離株431株のうち336株は13の血清型に分類された. MAIC血清型6型(34.6%)が最も優勢で, 次いで8型(21.8%), 4型(8.6%), 10型(6.5%)であり, MAIC血清型3型も4株検出された. 16頭の豚で複数の血清型が分離された. 群馬県ではMAICによる豚の非定型抗酸菌症が蔓延していることが示唆された.
  • 堀野 理恵子, 板庇 外茂雄, 平野 孝一
    1994 年 56 巻 3 号 p. 481-485
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験的大脳皮質壊死症(CCN)における生化学的変化および病理学的変化を検討するため, 緬羊6頭および牛6頭にアンプロリウム(600mg/kg/day)を投与した. アンプロリウムを投与された動物は, 神経症状を呈して投与35-57日後に死亡した. アンプロリウム投与動物は全頭が病理組織学的にCCNと確認され, 死亡時の血液中および組織中の総チアミン濃度は著明に減少していた. 血液総チアミン濃度は, 投与後7日目にすでに減少が認められ, 脳波異常出現の約2週間前には死亡時と同じレベルに低下していた. 脳波異常出現の約2週間前にチアミン依存酵素である赤血球中のトランスケトラーゼ活性値は有意に低下し, そのチアミンニリン酸効果も上昇していた. 死亡後の病理組織学的変化ならびに大脳皮質の蛍光斑についても検討した.
  • 山下 和人, 藤永 徹, 宮本 徹, 萩尾 光美, 泉澤 康晴, 小谷 忠生
    1994 年 56 巻 3 号 p. 487-492
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌの局所炎症に対する急性相反応における, 血清インターロイキン(IL)-1, IL-6, および腫瘍壊死因子(TNF)様活性の変化を他の急性相反応物質とともに観察した. テレピン油の筋肉内投与により局所炎症を引き起こしたイヌは典型的な炎症過程を示し, 処置後第14日に回復した. 急性相反応期には, 血清C-反応性蛋白(CRP)およびα1酸性糖蛋白(α1AG)濃度は上昇し, アルブミンは低下した. これらの値は, 第14日から第21日までに正常範囲に戻った. 血清IL-6様活性は処置後2時間から第6日に検出された. 血清TNF様活性は処置後2時間から24時間に低レベルで検出されたが, 対照群との間に統計学的な差を認めなかった. これらの活性の変化は, CRP, α1AG, およびアルブミンの変化に先行していた. 処置後の血清には, IL-1様活性をまったく検出しなかった. 以上より, イヌにおいても血清中のIL-6が損傷に対する急性相反応の制御機構の一部を担っていることが示唆された.
  • 橋本 憲佳, 遠藤 大二, 桑原 幹典, 佐藤 博, 佐藤 文昭
    1994 年 56 巻 3 号 p. 493-498
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    肺腫瘍誘発の高発モデル作出を目的として, 肺腫瘍の自然発生頻度の低いC3H/Heマウスの雄を用い, X線の1回又は分割照射を行った. 夜間胸部1回照射による肺腫瘍発生率は日中照射よりも低い線量(1.25Gy)で最大に達した. また3H-TdRの取込みによる肺の細胞動態は, 日中に低く夜間に高かったことから, マウスの肺の細胞動態の変動が肺腫瘍の誘発における放射線感受性に影響することが示唆された. 一方, X線の分割照射は有意に肺腫瘍発生率を増加させ, 12時間間隔の7.5Gy2回照射では, 15Gy1回照射に比べ約3倍の41%に達した. また胸部照射後全身分割照射を施すことにより, 腫瘍発生率のみならず平均腫瘍数の増加にも効果がみられた. すなわち7.5Gy胸部1回照射後に3力月毎に3Gy×3回の全身照射を行うことにより. 腫瘍発生率は47%となり, この肺腫瘍モデルにおいて最大の発生率が得られ, さらに腫瘍を持ったマウスの3割以上が複数個の腫瘍を生じた. 一方, 全身照射を行わなかったマウスのそれは, 1回照射群, 分割照射群共に1割に満たなかった.
  • 足立 幸蔵, 堀井 洋一郎, 永友 寛司, 清水 高正, 牧村 進
    1994 年 56 巻 3 号 p. 499-502
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    競合性固相化EIA法による赤血球結合IgG量の測定法を確立した. この方法は簡便で, 感度ならびに再現性とも良好であった. 直接Coombs試験陽性犬では, 健常犬及び直接Coombs試験陰性犬に比べて赤血球結合IgG量が高値であった.
  • 中田 亜紀, 城崎 明徳, 平田 なおみ, 徳力 幹彦
    1994 年 56 巻 3 号 p. 503-509
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    体幹に分布し, 第1腰髄節に入る背側皮膚・皮筋神経と腹側皮膚・皮筋神経を電気刺激することによって, 第1腰髄節に存在する外腹斜筋運動ニューロンのシナプス応答を, 細胞内記録法により調べた. この髄節性皮膚反射経路に, 上部脊髄ならびに脳からの下行性入力がどのような影響を与えているかを調べるために, 第4胸髄を切断した脊髄猫(49頭)とアルファ・クロラローズ麻酔猫(28頭)を用いた. 記録側ならびに対側の背側と腹側の皮膚・皮筋神経刺激では, 刺激強度の如何にかかわらず, 外腹斜筋運動ニューロンに対する単シナプス結合は存在しなかった. 閾値の1.2-1.5倍刺激で, 2シナプス性興奮性シナプス後電位の認められた例が2例あったが, その発生率は小さく, 圧倒的に多かったのは, 3シナプス結合以上の多シナプス性興奮性シナプス後電位であった. 記録側と対側の背側および腹側の皮膚・皮筋神経を閾値の5-10倍で刺激すると, ほとんど全ての外腹斜筋運動ニューロンに多シナプス性興奮性シナプス後電位が認められた. このことは, 体幹の片側の皮膚ないし皮筋を刺激すると両側の外腹斜筋が収縮することを意味する. 脊髄猫とアルファ・クロラローズ猫では, 両側の背側ないし腹側の皮膚・皮筋神経刺激で, 外腹斜筋運動ニューロンのシナプス応答にあまり差がなかったことから, この髄節性皮膚・皮筋反射経路には上部脊髄ないし脳からの影響は強くないと考えられる可能性のあることが示唆された.
  • 中田 亜紀, 城崎 明徳, 徳力 幹彦
    1994 年 56 巻 3 号 p. 511-516
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    第1腰髄節に入る, 背側皮膚・皮筋神経(体幹背側部に分布)と腹側皮膚・皮筋神経(体幹腹側部に分布)を電気刺激して, 第1腰髄節に存在する腹直筋運動ニューロンの髄節性シナプス応答を細胞内記録法により調べた. この髄節性反射経路に対する, 上部脊髄ならびに脳からの下行性入力の影響を調べるために, 脊髄猫(49頭)とアルファ・クロラローズ麻酔猫(28頭)を用いた. 同側ないし対側からの背側皮膚・皮筋神経と腹側皮膚・皮筋神経を閾値の1.2倍から10ないし20倍までの刺激強度で電気刺激したが, 腹直筋運動ニューロンに対する単シナプス性反応は存在せず, 2シナプス性興奮性シナプス後電位が少数例記録されただけで, 大部分は3シナプス性以上の多シナプス性興奮性シナプス後電位であった. 同側の腹側皮膚・皮筋神経を低い刺激強度で刺激すると, 過半数の腹直筋運動ニューロンに, 多シナプス性興奮性シナプス後電位が記録された. 皮膚・皮筋神経の電気刺激に対して, アルファ・クロラローズ麻酔猫の腹直筋運動ニューロンでは, 脊髄猫ではほとんど認められなかった多シナプス性抑制性シナプス後電位が認められた. すでに報告した外腹斜筋運動ニューロンではこのような現象は認められなかったので, 外腹斜筋運動ニューロンとは異なり, 皮膚・皮筋神経から腹直筋運動ニューロンに至る髄節内経路に対しては, 上部脊髄ないし脳からの抑制性下行入力の存在する可能性のあることが明らかとなった.
  • 小島 義夫
    1994 年 56 巻 3 号 p. 517-522
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ヤクシマ系ヤギ18頭(1力月未満6頭, 性成熟12頭)の精巣を灌流固定し, 包埋後, 超薄切片を作成し, 電顕で調べた. ヤギ精巣のセルトリ細胞内には大小無数のマイクロボディーが見出された. マイクロボディーの芯としての類結晶体は, 未成熟個体のそれでは見られなかったが, 性成熟に達したヤギには何れの例においても検出された. マイクロボディーは平均0.86μmの直径(n=250)で, 多くは, 核周辺や細胞の基底部寄りの1/2の部位に滑面小胞体に囲まれて出現した. 類結晶体は平均0.29×0.36μmの長方形で面積0.09μm2(マイクロボデイーの約1/12)で, 微細顆粒状のマイクロボディー中でやや電子密度の高い芯として見出された(n=178). ゴニオメーターで±30°試料を傾斜することによって, 類結晶体中に格子状構造を検出した. 格子は巾6.6nmの線または紐が10.1nmの間隔で平行に走行するもので(n=48), 立体的に板状, 層状, あるいは管状構造物であるか否かは不明であった. 以上の結果から, 従来報告されたマイクロボディー同様, ヤギにおいても, 本構造物はペルオキシゾーム相当の構造物と考えられる.
  • 松村 靖, 石田 卓夫, 鷲巣 月美, 友田 勇
    1994 年 56 巻 3 号 p. 523-528
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコ免疫不全ウイルス(FIV)自然感染猫の発症期リンパ節を組織学的に観察し, FIV p24に対するモノクローナル抗体を用いた免疫染色でウイルス抗原の局在について検索を行った. 持続性全身性リンパ節腫大期のリンパ節は著明な濾胞過形成を示し, ウイルス抗原は濾胞内のリンパ球, 核片貧食マクロファージに多く認められた. エイズ関連症候群期では濾胞過形成型と退行型の混合型, 退行型および退行型と消耗型の混合型に分類された. ウイルス抗原は核片貧食マクロファージや副皮質のリンパ球に存在していた. 臨床的にエイズ期まで病期が進行して死亡した猫のリンパ節は正常構築が破壊され, 濾胞は退行または消滅していた. この末期のリンパ節におけるウイルス抗原は, 洞内の組織球/マクロファージに多く認められた. エイズ期で死亡した猫にみられた所見はHIV感染患者のエイズ期にみられる変化に類似していた. 以上の所見から, 濾胞過形成から退行型を経て消耗型にいたるリンパ節の組織学的変化は, リンパ節内ウイルスの存在と密接に関係していることが示唆された.
  • 山口 高弘
    1994 年 56 巻 3 号 p. 529-533
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    豚下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞におけるアルカリホスファターゼ(APase)の局在を電顕細胞化学的に検討した. APase活性は性腺刺激ホルモン産生細胞の細胞膜と細胞内小胞に局在した. 細胞膜での活性は細胞膜の外層に散在し, 周囲の性腺刺激ホルモン産生細胞あるいは濾胞細胞と接する部位で強く出現した. APase陽性細胞内小胞はゴルジ装置の周囲や細胞辺縁部に存在した. 陽性小胞のあるものは細胞膜と連続していた. 以上のことより, 性腺刺激ホルモン産生細胞内に存在するAPaseは細胞内で合成され, 細胞膜に移動するものと考えられる.
  • 森 隆, 永田 和哉, 石田 卓夫, 二階堂 洋史, 小林 英一, 佐々木 富雄, 大網 弘, 桐野 高明
    1994 年 56 巻 3 号 p. 535-540
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    慢性脳血管攣縮の発生において, 血管外血液に対する異物反応が役割を担っている可能性を明らかにするために, 非生物学的異物としてタルク(結晶化含水珪酸マグネシウム)を犬の大槽内に注入し, 病理学的変化を観察した. 脳血管撮影の結果, いわゆる早期相の変化が出現することなく大槽内タルク注入により, 脳底動脈の遅発性および持続性の収縮が誘発された. 病理学的には, クモ膜下腔の脳底動脈周囲の中等度の細胞浸潤は, タルク注入後2日目から出現した脳血管収縮と時期を同じくして認められた. 攣縮脳底動脈壁では, 大槽内タルク注入により, すでに2日目から平滑筋細胞の壊死や内膜下増生などの顕著な収縮性変化および変性が誘発された. また, その変化は, 注入後の時間経過と共に顕著となった. さらに, これらの病理学的変化は, 脳血管攣縮に陥った人の剖検例の攣縮血管壁の形態学的変化に極めて類似していたが, 実験的自家血液誘発モデルの病理学的変化より顕著であった. 本研究では, 血管外に漏出した血液の存在が無くても, タルクに対する異物反応単独で慢性脳血管攣縮を誘発し得ることを明らかにした. このことから, クモ膜下出血において血管外自家血液に対して起こり得る炎症反応が, 慢性脳血管攣縮を引き起こしていると考えられる.
  • 大上 美穂, 牧田 登之
    1994 年 56 巻 3 号 p. 541-546
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ベザフィブレート(抗脂血薬, ペルオキシゾーム増殖薬)を投与したときの, 肝細胞の微細構造学的変化およびcarnitine acetyltransferase(CAT)活性の変化について, 雄,去勢雄, 雌, 去勢雌ラットを用い検討した. 単位面積あたりのペルオキシゾーム数は, 1週間投与の雄では4.8倍また2週間投与では5.8倍に増加した. 微細構造学的変化としては, 細胞質内における小管構造の増加, ペルオキシゾームのマトリックス密度の低下, コアの消失, 限界膜の崩壊などが観察された. 他に, 少数例ではあったが縦軸にクリステをもつミトコンドリアが認められた. CAT活性は, 2週間投与の雄で12.0倍, 去勢雄で8.4倍, また雌で3.8倍, 去勢雌で5.5倍に上昇した. 組織化学的にはCAT活性は, ミトコンドリアの外区画および内膜に局在していた. ミトコンドリアのCAT活性の局在は, 対照群と投与群および去勢群で大差はなかったが, 2週間投与の雄でペルオキシゾームのマトリックス内に微弱ながらCAT活性が認められた. これらのことより, ベザフィブレートによるCAT活性の上昇は, ミトコンドリアよりもむしろペルオキシゾームに起因していることが示唆された.
  • 田中 穂積, 菱沼 貢, 高橋 芳幸, 金川 弘司
    1994 年 56 巻 3 号 p. 547-548
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    と殺したリピートブリーダー牛8頭から採取した卵胞卵子(1頭平均45個)を体外成熟・体外受精に供した結果, 1頭当り1-7個(平均5個)の移植可能な胚盤胞が得られた. これらの胚盤胞を凍結保存した後, 22個を融解してレシピエント牛22頭に移植した結果, 8頭の産子が得られた.
  • 森田 千春, 井上 智, 網 康至, 杉山 和良, 北村 敬
    1994 年 56 巻 3 号 p. 549-550
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    東京湾岸で捕獲した野生ドブネズミよりVero-E6細胞を用いて分離したTR-352株, 新生仔ラットを用いて分離したTR-352R株をそれぞれ3週齢のラットに接種し, 正常ラットと同居させたところTR-352R株では同居感染が認められたのに対し, TR-352株では同居感染が認められなかった.
  • 田中 恵理, 木村 隆宏, 和田 新平, 畑井 喜司雄, 園田 成三郎
    1994 年 56 巻 3 号 p. 551-553
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    淡水飼育のトドに, 脱毛, 皮膚の錯角化症, 脱色, 発赤を伴う, 重篤な皮膚炎が認められたため, 皮膚のサンプリングをし, 検査を行った. その結果, この病変は, 組織学的には定型的慢性皮膚糸状菌症を呈しており, 表皮の角化層に隔壁を有するPAS陽性の菌糸が認められた. 培養の結果得られた真菌は, 集落所見, 形態的特徴から, Trichophyton mentagrophytesと同定された. 本症例の発生要因としては, 種差, 個体差, 環境要因などが考えられた.
  • 上地 正実, 野上 友輔, 照井 治子, 中山 智宏, 石川 亮吉, 若尾 義人, 高橋 貢
    1994 年 56 巻 3 号 p. 555-556
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    腎不全犬, 犬糸状虫寄生犬および健康犬における尿中N-Acetyl-β-D-glucosaminidase NAG (EC3.2.1.30), γ-Glutamyl transpeptidase γ-GTP (EC2.3.2.2) およびGlycyl-Prolyl dipeptidyl aminopeptidase GP-DAP (EC3.4.14.5)について検討した. 腎不全犬では, NAG, γ-GTPおよびGP-DAPともに健康犬に対して有意に高値を示した. 心陰影に異常の認められなかった犬糸状虫寄生犬群(HWI)では, 各酵素ともに健康犬と比較して有意な差は認められなかったが, 心陰影に異常の認められたHWII群では, 健康犬ならびにHWI群に対して有意に高値を示した. これらのことから潜在的腎障害の検出に尿中酵素が有用であることが示唆された.
  • 小俣 吉孝, 徐 慎之, 五十嵐 郁男, 斉藤 篤志, 鳥羽 日出夫, 鈴木 直義
    1994 年 56 巻 3 号 p. 557-558
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    道東地域で屠殺される牛の住肉胞子虫類感染状況を調べるため, 1993年4月から7月までの期間の帯広市内屠場搬入牛のうち, 同地域で長期間飼養の廃用牛83例, ならびに輸入肥育育成牛91例, および屠場直行牛94例の心筋を直接法により虫体の検索を試みた. 虫体の嚢子が廃用牛の15.7%, 輸入肥育育成牛の48.4%, 屠場直行牛の51.1%に検出された. 嚢子壁の形状, ならびに同嚢子のイヌへの投与結果から, 検出虫体はSarcocystis cruziと同定された.
  • 西村 亮平, 金 輝律, 松永 悟, 林 慶, 田村 弘, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1994 年 56 巻 3 号 p. 559-561
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    実験用豚にメデトミジン(40μg/kg)-ミダゾラム(0.2mg/kg)を筋肉内投与したところ, メデトミジンのα2-アドレナリン受容体に対すると考えられる作用により血中インスリン濃度は低下し, 血糖値は徐々に上昇したが, その変化はメデトミジン(80μg/kg)単独使用時に比べ小さかった. この組み合わせはメデトミジン単独使用時より強力な鎮静を示すにもかかわらず, メデトミジンの副作用の一つである血糖上昇作用は小さいことが明らかとなった.
  • 阿部 冬樹, 林 俊春, 岩田 祐之, 井上 武
    1994 年 56 巻 3 号 p. 563-564
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ICRマウスにおける肝臓の乳酸脱水素酵素-5(LDH-5)クリアランス能を部分肝切除により検討した. 30もしくは50%の部分肝切除の場合, LDHクリアランス能はSham群と比較して低下する傾向がみられ, 65%除去では有意に低下した. また, 血中のLDH活性は50および65%の肝切除で有意に上昇したが, 30%の肝切除では有意な上昇はみられなかった. これらの結果から, 部分肝切除後の血中のLDH活性の上昇は肝臓の異化能の低下のためであり, 肝臓がLDH-5の異化に重要な役割を有することが示唆された.
  • 野中 成晃, 巌城 隆, 岡本 宗裕, ウイ ホンキエン, 奥 祐三部, 大林 正士, 神谷 正男
    1994 年 56 巻 3 号 p. 565-567
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    札幌およびマレーシアのドブネズミ(SRN, KRN), 当別および虻田のエゾヤチネズミ(TCR, ACR)より猫条虫を分離した. SRN, KRNおよびTCR分離株はラットで嚢虫へと発育したが, マウスでは白色病巣となり, エゾヤチネズミ, スナネズミではシストおよび白色病巣の形成が認められなかった. これに反して, ACR分離株はエゾヤチネズミにおいてのみ嚢虫へと発育し, ラット, マウスでは肝臓に肉眼的病巣を認めなかった.
  • 中久喜 正一
    1994 年 56 巻 3 号 p. 569-571
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    カニクイザルの肺では左右の気管支から背側, 外側, 腹側および内側の4気管支系が起こる. 右肺の上葉は背側気管支系の第1枝で, 中葉は外側気管支系の第1枝で, 副葉は腹側気管支系の第1枝で形成される. 残りの気管支は下葉を形成する. 左肺では上葉気管支を欠除し, 外側気管支系の第1枝がよく発達して2葉に分かれた中葉を形成する. 残りの気管支は下葉を形成する.
  • 堀野 理恵子, 板庇 外茂雄, 平野 孝一
    1994 年 56 巻 3 号 p. 573-576
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    大脳皮質壊死症の発症経過における生化学的および病理学的変化を明らかにするため, 緬羊14頭にアンプロリウムを投与し, 各種の臨床変化が出現した段階で安楽死させた. 脳波の異常のみが発現している時点の総チアミン濃度は組織中および血液中で著明に低下していた. 食欲が減退した時点より後の段階では, 症状の進展に伴ってさらなる減少は見られなかった. 脳波に異常が発現した1日後より大脳皮質の蛍光斑および壊死病変が認められた.
  • 杉本 哲朗, 三沢 保幸, 二木 力夫
    1994 年 56 巻 3 号 p. 577-579
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    10週齢のSprague-Dawley系雌ラットに頭蓋内表皮嚢胞が認められた. この嚢胞は脳梁腹側および第三脳室背側の大脳縦裂軟膜内に位置し, 直径約0.7mmで, 重層扁平上皮によって内張りされ, 内腔は層板状に脱落した角化上皮で満たされていた. 嚢胞壁は2~4の細胞層から成っていた. 電顕的には一部で基底細胞が欠如し, 表皮分化の正常な連続性はみられなかった. 周囲の脳実質は軽度に圧排されていたが, 明らかな組織破壊は認められなかった.
  • Tanaka Neide Mariko, 塩田 邦郎, 能田 健, 小久保 諭, 廉沢 剛, 西村 亮平, 高橋 迪雄, 佐々木 伸雄
    1994 年 56 巻 3 号 p. 581-583
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    外科的に摘出した犬の自然発生腫瘍57例の20α-水酸化ステロイド脱水素酵素(20α-HSD)活性を測定した結果, 48例に活性が認められた. 病理組織学的には混合型腫瘍が上皮系および非上皮系腫瘍よりも活性が高い傾向にあり, また悪性腫瘍の20α-HSD活性がそれぞれの良性腫瘍よりも高い傾向にあった. 同時に測定した正常組織の20α-HSD活性に比較し, それに対応する腫瘍は有意に高い活性を示した.
  • 森田 幸雄, 新井 真理子, 野村 治, 丸山 総一, 勝部 泰次
    1994 年 56 巻 3 号 p. 585-587
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    2歳の雄, 輸入伝書鳩において総排泄口後方の皮膚に結節(直径約15mm)を認めた. 皮膚の結節および糞便からMycobacterium avium血清型2型が分離された. 分離菌のうち光沢があり隆起した親水性の集落(SmD株)ならびに光沢がなく小さい疎水性集落(RG株)を, 鶏(白色レグホン, 雌, 40日齢)の翼静脈内にそれぞれ106個および107個接種したところ, RG株投与鶏は39日目に, SmD株投与鶏は77日目に死亡した. SmD株, RG株投与鶏はともに肝臓, 脾臓の腫大が著しく, SmD株投与鶏の肺, 肝臓および脾臓には粟粒大の白色結節が認められた. 投与鶏の肺, 肝臓, 脾臓, 腎臓ならびに膵臓からSmD株およびRG株が回収された.
  • 斉藤 守弘, 大内 義尚, 小林 勝, 播谷 亮, 板垣 博
    1994 年 56 巻 3 号 p. 589-591
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    自然感染牛の心筋より得たシストをトリプシン消化し, 遊出ブラディゾイトを12回, 凍結(-22℃)融解(37℃)させ抗原を得た. この抗原を用いた抗S. cruzi・抗T. gondii・抗H.hammondi・抗B.wallaceiの各家兎血清とのゲル内沈降反応では交差反応は認められず, また, 抗原を家兎に総蛋白量343μgずつ計4回接種して得た抗家兎血清を用いた免疫染色では血清2,048倍希釈まで組織内のシストに褐色の陽性反応が観察された.
  • 臼井 玲子, 廣田 順子, 近江 俊徳, 岩本 禎彦, 池本 卯典
    1994 年 56 巻 3 号 p. 593-595
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Clerodendron trichotomumレクチンで分類されるイヌの血液型(C型;凝集, c型;非凝集)において, 乳腺腫瘍罹患後cからC型に変換した血液型をcm型, c型シアリダーゼ処理血球をcn型とし, 赤血球膜上エピトープ濃度・分布状況をFITC標識レクチンを用いフローサイトメトリー分析した. C, cm, cn型血球の陽性率は49.3%, 43.8%, 81.0%であった. C型とcn型では陽性率に差があった. cm型は, 陰・陽の二峰性となり, 陽性ピークの出現は腫瘍による赤血球膜表面糖鎖の変化を示唆した.
  • 橋本 道子, 和 秀雄, 阪口 雅弘, 井上 栄, 宮沢 博, 渡辺 美香, 三関 三乃, 安枝 浩, 新田 裕史
    1994 年 56 巻 3 号 p. 597-598
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコを飼育している家庭の布団からのネコ主要アレルゲン(Fel d I)除去を家庭用洗濯機を用いて行った. 洗濯の前後に布団から綿の一部を集め, その綿からネコアレルゲンを抽出した. その抽出液中のFel d I量をサンドイチELISA法で測定することにより, 除去率を評価した. 洗濯後の布団のFel d I量は95%以上減少した. 布団洗いはネコアレルゲンを除去するのに効果的な方法であることがわかった.
  • 金山 喜一, 山海 直, 成相 孝一, 遠藤 克, 佐久間 勇次
    1994 年 56 巻 3 号 p. 599-600
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    家兎における過排卵誘起処理を簡易化する目的でPVPをFSHの溶媒に用いた. その結果, FSH-PVPの1回投与でFSHを3日間にわたって6回投与する従来の方法と同等の排卵数と受精卵子数を得た. また, FSH-PVPの投与部位に炎症などの所見は認めていない. 以上のことから, FSH-PVPを用いることによって家兎の過排卵誘起処理を大幅に簡易化することが可能で, 動物に対する注射侵襲と人的労力の軽減が図れるものと考えられる.
  • 大杉 剛生, 石橋 和樹, 新宮 正久, 野村 大成
    1994 年 56 巻 3 号 p. 601-603
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    NK活性保有SCIDマウス腹腔内に5-7×107個のHTLV-IトランスフォームヒトT細胞(MT-2)を投与したところ, 約3カ月で腹腔内に腫瘍の形成が認められた. この腫瘍は抗HTLV-Ip19および抗HLA-DRモノクローナル抗体に陽性を示し, PCR法でHTLV-I特異的シークエンスが検出された. さらに, 腫瘍形成, 非形成両マウスの各臓器からもPCR法によってHTLV-I特異的シークエンスが確認された.
  • 滝沢 達也, 小田 隆司, 有嶋 和義, 山本 雅子, 宗宮 弘明, 江口 保暢, 塩田 浩平
    1994 年 56 巻 3 号 p. 605-606
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    妊娠ラットから帝王切開により取り出した新生子ラットにアンジオテンシン変換酵素阻害剤マレイン酸エナラプリル(EM)を帝王切開直後あるいは180分後に皮下投与し, 動脈管の内径を経時的に測定した. 帝王切開直後に10あるいは50mg/kgのEMを投与した新生子の動脈管内径は投与後30分, 60分, 90分のいずれの時期においても対照群と比べて有意に大きかった. 帝王切開180分後では対照群の動脈管は閉鎖していたが, その時50mg/kgのEMを投与すると動脈管は一時的に再開存し, その後閉鎖した. これらの結果は, EMは動脈管の生後の収縮を直接抑制すること, さらに一度収縮閉鎖した動脈管を再開存させる作用を有することを示す.
  • 藤田 道郎, 織間 博光, 宮坂 勝之, 高田 正雄
    1994 年 56 巻 3 号 p. 607-609
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    8頭の成猫を用いて肺胸郭の圧量曲線を求め, また, その内の5頭においては肺および胸壁の圧量曲線も同時に求めた. 肺胸郭の圧量曲線は全てS状の形態を示し, 肺胞内圧0-15 cm H2Oの生理的範囲ではほぼ直線であった. またその範囲では肺および胸壁がほほ同等の作用を肺胸郭に及ほしている可能性が示唆された.
  • 大西 堂文, 鈴木 佐代子
    1994 年 56 巻 3 号 p. 611-612
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Babesia gibsoni感染犬において, 感染後期には血清中溶血活性の著しい低下がみられた. そこで, 感染後の溶血活性と網状赤血球数とを測定したところ, 網状赤血球数の上昇にともなって溶血活性の低下がみられた. また, フェニルヒドラジン誘導貧血犬の血球を用いて感染犬血清中溶血活性を測定したところ, 網状赤血球の増加にしたがって活性の低下がみられた. これらの結果から, 網状赤血球はBabesia gibsoni感染犬で認められる溶血活性に対し, 抵抗性を示すと推測された.
  • 日笠 喜朗, 高瀬 勝晤, 近藤 紀代子, 小笠原 成郎
    1994 年 56 巻 3 号 p. 613-616
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    牛におけるアトロピン(A)ーグアイフェネシン(G)ーチオペンタール(T)投与後の外科的深度でのセボフルラン (S)麻酔の影響を自発呼吸下にて調べた結果,心拍数は麻酔中増加し,動脈圧は高値を示したが,呼吸数には著変なく,極めて速やかな覚醒を示した.麻酔中,換気量低下により軽度の呼吸性アシドーシスを認めたが,心電図,血液理学的・生化学的検査値に問題はなく, A-G-T-Sは牛に対して覚醒に優れ,有効な麻酔法であることを示唆した.
  • 玄 海成, 翁長 武紀, 峯尾 仁, 加藤 清雄
    1994 年 56 巻 3 号 p. 617-618
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    10mMブドウ糖を0.5, 1, 2および4ml/minで灌流したときのヒツジ小腸ループにおけるブドウ糖吸収率はそれぞれ77.1±2.2, 54.9±2.3, 31.6±2.1および12.9±0.3%であった. 灌流速度が1ml/minでブドウ糖濃度が5, 10, 20および40mMのときは, それぞれ75.5±1.7, 52.2±2.2, 29.4±1.9および19.5±0.1%であった. 約50%の吸収率が得られたブドウ糖濃度10mM, 灌流速度1ml/minがヒツジ小腸ループにおけるブドウ糖吸収実験の至適な条件であると結論づけた.
  • 岩瀬 隆之, 有嶋 和義, 大山 直樹, 稲沢 圭子, 岩瀬 裕美子, 池田 保男, 白井 明志, 山本 雅子, 宗宮 弘明, 江口 保暢
    1994 年 56 巻 3 号 p. 619-621
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Caffeineの催奇形性を, ラット全胚培養法(WECS)ならびに胚芽細胞法(MTA)を用いて検討した. WECSでは, 50μg/ml以上で尾と胎盤に, 100μg/ml以上で前肢に, さらに200μg/mlで卵黄嚢, 後肢, 前脳に形態異常が認められた. MTAでは, 200μg/mlの濃度においても, 中脳および胚芽細胞の増殖能および分化能には影響は認められなかった. 以上のことから, Caffeineは, 培養胚子にいろいろな形態異常を引き起こすが, 細胞増殖や細胞分化に影響を与えるものではないと考えられる.
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