1994 年 56 巻 3 号 p. 611-612
Babesia gibsoni感染犬において, 感染後期には血清中溶血活性の著しい低下がみられた. そこで, 感染後の溶血活性と網状赤血球数とを測定したところ, 網状赤血球数の上昇にともなって溶血活性の低下がみられた. また, フェニルヒドラジン誘導貧血犬の血球を用いて感染犬血清中溶血活性を測定したところ, 網状赤血球の増加にしたがって活性の低下がみられた. これらの結果から, 網状赤血球はBabesia gibsoni感染犬で認められる溶血活性に対し, 抵抗性を示すと推測された.