1994 年 56 巻 5 号 p. 977-979
Wistar系ラットに対する Fasciola 属の感染性を虫体の回収率および発育によって比較検討した. F. hepatica, F. gigantica および日本産肝蛭の虫体回収率はそれぞれ20.0-30.0%, 0-5.0%および36.6%-47.5%であった. F. hepatica および日本産肝蛭は感染後8週, 12週にそれぞれ性成熟した虫体が認められたが, F. gigantica では成熟虫体は12週後まで認められなかった. 従って, F. hepatica および日本産肝蛭はラットに対する感染性が高いが, F. gigantica は著しく低いことが明らかとなった.