1995 年 57 巻 4 号 p. 781-783
FECV-79-1683株102PFUをSPF猫に経口的に接種したところ, 繰り返し接種したにもかかわらず, ウイルスに対する抗体の産生は見られなかった. 続いて105PFUを接種すると, 5~160×103(平均で3×104), 又は103PFUを接種すると, 2.5~20×103(平均で6×103)のIPA力価を示し, 長期間, 以上の範囲内で変動する免疫反応が観察された. また, 経口感染では最低103PFUのウイルス量が感染成立に必要であることが明らかになった. 別のSPF猫を用いて感染後のウイルス増殖を血漿で調べたところ, 105PFU接種の場合, 感染後2日目, 4日目でウイルス血症が観察されたが, 103PFU接種の場合はウイルス血症は観察されなかった. これらの結果, 局所感染は低レベルの抗体を産生し, 全身感染は高レベルの抗体を産生することが示唆された.