1995 年 57 巻 5 号 p. 951-953
Yongin 農場で飼育されていた5歳の雌のオランウータンが呼吸器症状を示した. X 線撮影では, 直径2-6mmの陰影が肺の全葉にわたって多発していた. 胸腔の肉眼観察では肺の左前葉が硬化し, 灰桃色に変色していた. 組織学的には, 肉芽腫性肺炎巣が肺の左右前葉に多発していた. 肝臓から分離された結核菌は, IS1081とIS6110に特異的な196 bpと245 bpのプライマーを用いたPCR法により, Mycobacterium tuberculosis と同定された.