Journal of Veterinary Medical Science
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可移植性ラット悪性線維性組織球腫に由来するリポポリサッカライド処理クローン細胞の表現型の変化(短報)
山手 丈至田島 正典渋谷 一元桑村 充小谷 猛夫佐久間 貞重
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1996 年 58 巻 10 号 p. 1017-1020

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抄録
起こり得る細胞変化を検討するために, ラット悪性線維性組織球腫(MFH)に由来する未分化間葉系細胞(MT-8)及び線維組織球様細胞(MT-9)を, リポポリサッカライド(LPS; 10μg/ml)含有培地で培養することによりMT-8L及びMT-9L細胞を誘導した. MT-8L及びMT-9L細胞では組織球特異酵素に対する陽性率が有意に増加し, 組織球様の微細構造を示した. また, MT-8L細胞では, a-平滑筋アクチン陽性の筋線維芽細胞様細胞の数が有意に増加した. MT-8L細胞は組織球と筋線維芽細胞の双方の性格を表出した. MT-8L誘発腫瘍はMFHのストリフオーム型から主に成る組織像を示し, 未分化肉腫型を示すMT-8腫瘍とは異なっていた. MT-9LとMT-9腫瘍は, ともにストリフォーム型の像を呈した. LPS処理によりMFH細胞の表現型の変化がたやすく誘導された.
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© 社団法人 日本獣医学会
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