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清水 悠紀臣
1996 年 58 巻 10 号 p.
21-23
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
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熊谷 哲夫
1996 年 58 巻 10 号 p.
24-29
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
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川村 齊
1996 年 58 巻 10 号 p.
30-34
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
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小沼 操
1996 年 58 巻 10 号 p.
35-40
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
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遠藤 秀紀, 山田 格, 中牟田 信明, 種村 健太郎, 九郎丸 正道, 林 良博
1996 年 58 巻 10 号 p.
937-940
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
年齢42歳と推定されるインドサイ(Rhinoceros unicornis)の精巣を肉眼解剖学的および組織学的に検討した. 同種の精巣は特徴的な長円形を呈し, 過去の報告にみられるものよりも大きかった. 光顕観察の結果, 精細管群はよく発達した膠原線維にとり囲まれていた. それぞれの精細管には, spermatogoniaからelongated spermatidに至る精子発生像が確認された. しかし, 管腔は閉塞し, 多くの精細管でエオジン染色性の細胞外基質が確認された. したがって, 管腔内に精子が放出された様子は, 全く観察されなかった. また, セルトリ細胞が生殖細胞の間に分布する様子が確認された. 間質には多くのライディッヒ細胞と遊走細胞が分布していた. 一方, 各生殖細胞の配列が乱れ, spermatocyteとspermatidが秩序なく混在する精細管が確認された. 所見が豊富なウマとの比較からは, 奇蹄類に共通する精子発生の組織学的特質を見出すことはできなかった. 今回観察された精果サイズの大型化, 間質における膠原線維の発達, 生殖細胞の配列の混乱, および精細管腔の閉塞は, 利用した個体の老化と関連があることが示唆される.
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甲野 雄次, 菅野 徹, 清水 実嗣, 山田 俊冶, 大橋 誠一, 仲嶺 マチ子, 白井 淳資
1996 年 58 巻 10 号 p.
941-946
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
PRRSウイルスを検出するためのnested PCRを開発した. 欧州型および北米型ウイルスに共通のプライマーを設計し逆転写(RT)PCRに用い, 両型それぞれに特異的なプライマーを選択しnested PCRに用いた. 特異プライマーを用いたnested PCRは1TCID
50/100μlに対応する型のウイルスを検出したが異型のウイルスとは反応せず, ウイルスの検出と型別が可能であった. 急性期の実験感染豚ではnested PCRによるウイルスの検出と肺胞マクロファージを用いた検出とは一致したが, 慢性期ではnested PCRの感度が優れていた. 自然感染豚でもnested PCRの結果が細胞培養を用いた結果と等しい場合と優れている場合とがあった. nested PCRを用いるとウイルス分離が不成功の場合でもウイルスの型別は可能であった.
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勝見 正道, 齋藤 忠夫, 片岡 康, 伊藤 敞敏, 菊池 直哉, 平棟 孝志
1996 年 58 巻 10 号 p.
947-952
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
Streptococcus (S.) suis NCTC10234株(血清型2型)から3つの異なった方法(リゾチーム処理法, オートクレーブ抽出法, 塩酸抽出法)により莢膜多糖(CPS)を調製し, ゲル濾過とプロトン核磁気共鳴スペクトルによるパターン分析および同株で作製した家兎免疫血清に対する抗原力価の比較により, S. suis血清型2型のCPSに対する最適調製条件を決定した. その結果, オートクレーブ抽出法が最適であり, 純度の高い完全な抗原構造を保ったCPSが, 安全に短時間で調製できた. 同株のCPSは, Rhamnose (Rha), Galactose (Gal), Glucose (Glc), N-acetylglucosamine (GlcNAc)およびN-acetylneuraminic acid (NeuAc)から構成され, モル比はRha: Gal: Glc: GlcNAc: NeuAc=1.05: 3.86: 1.00: 0.84: 1.25で, 分子量は, 310 KDaと推定された. また, シアル酸を弱加水分解で除去したアシアロ化CPSはS. suis血清型2型の抗血清に全く反応せず, 抗原性は完全に消失していた. さらに, ノイラミニダーゼ処理によりCPSは75%以上の抗原性が失われた. 以上の結果, S. suis血清2型の抗原エピトープ部分にはNeuAcが含まれており, 抗原決定基としてNeuAcが極めて重要な役割を果たしていることが判明した.
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向井 真, 町田 登, 西村 昌晃, 中村 孝, 天田 明男, 桐生 啓冶
1996 年 58 巻 10 号 p.
953-961
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ニワトリの純血腫として3種類:ロードアイランドレッド種(RIR, n=125), シャモ種(JG, n=101)および白色レグボン種(WL, n=52), RIRの交雑種群として4種類:RIRとJGとの雑種第一代(RIR×JG, n=44), RIR×JGをJGと退交雑(戻し交配)した雑種第二代[(RIR×JG)×JG, n=10], RIRとWLとの雑種一代(RIR×WL, n=73)およびRIRとデカルブアンバーリング(DAL)との雑種第一代(RIR×DAL, n=56)の計7種類461羽について標準肢誘導法による心電図検査を実施し, ニワトりに自然発生する不整脈の発生状況を検索した. その結果, 107例(23.2%, 107/461)に9種類の不整脈が観察された. その内訳は, 洞性不整脈66例, 心房性期外収縮19例, 心室性早期興奮症候群9例, 心室性期外収縮7例, 第2度房室ブロック2例, 心房細動1例, 心室内変行伝導1例, 心室内伝導障害1例および電気的交互脈1例であった. 洞性不整脈を除くとRIRの発生率はRIR以外の純血種(p<0.001)あるいはRIRの交雑種群(p<0.01)と比較して有意に高かった. 本報告はニワトリに自然発生する不整脈として心室性期外収縮および洞性不整脈の両者を除く不整脈について最初のものである. WLに洞性不整脈が多く発生したことおよびRIRで洞性不整脈以外の不整脈が目立っていたことに関して, その原因は不明であったが, 今回の結果からニワトリ, 特に不整脈の頻発がみられたRIRは不整脈の研究に適した動物である可能性を示唆していた.
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小坂 俊文, 金子 吉史, 中田 陽子, 松浦 光信, 田中 茂男
1996 年 58 巻 10 号 p.
963-967
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
イヌマクロファージおよび好中球介在性免疫応答に対する綿状キトサンの皮下埋没の影響について化学発光法(CL)を用いて検討を行った. 白血球数はコントロール群では術後120時間目まで有意に減少した(P<0.05). しかしながら, キトサン埋没群では白血球数,特に好中球数は24から96時間目まで増加した(p%lt;0.05). 全血におけるCL反応は, コントロール群では術後48時間目および96時間目に減少した(p<0.05)のに対し, キトサン群では埋没後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). CL法によるマクロファージ活性の測定ではコントロール群では術後24, 48, 96時間目に著しく減少した(p<0.05). 5 mg/kgキトサン群では24および48時間目では減少した(p<0.05)が, 72時間目から120時間目までは高い活性が認められた. 10 mg/kgおよび20 mg/kgキトサン群では術後のマクロファージのCL反応の低下は認められず, 20 mg/kg キトサン群では術後120時間目まで高い活性が持続した(p<0.05). これらの結果よりキトサンは術後の免疫抑制に対する予防として有効で有用な免疫賦活物質であることが示唆された.
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遠藤 大二, 昆 泰寛, 林 正信, 守村 敏文, 超 庚五, 岩崎 俊夫, 佐藤 文昭
1996 年 58 巻 10 号 p.
969-975
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
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ヒト単純ヘルペスウイルスのICP4遺伝子のホモローグは多くのヘルペスウイルスでその産物がウイルス活性化に重要であることが知られている. 著者らは, In situハイブリダイゼーション(ISH)法を用いて, マレック病ウイルス血清型1のICP4ホモローグ(MDV1 ICP4)遺伝子の転写物を検出した. digoxigenin標識cRNAプローブを用い, CPEが90%となったマレック病ウイルス血清型1 (MDV1)感染鶏胚線維芽細胞のうち90%およびMDCC-MSB-1(MSB-1)のうち0.35%の細胞においてMDV1 ICP4遺伝子の転写物が検出された. MSB-1でMDV1 ICP4遺伝子転写物の検出された比率は, MDV1抗原陽性が報告されている細胞の比率と近い値を示した. 前述のISH法を用い, 著者らは感染鶏の羽包上皮ならびに肝臓, 腎臓および末梢神経内のリンパ様細胞においてMDV1 ICP4遺伝子転写物を検出した. これらの細胞のうち, MSB-1では主として核に, 感染鶏胚線維芽細胞および羽包上皮では核および細胞質に, そしてリンパ様細胞では主として細胞質にMDV1 ICP4遺伝子転写物が検出された. 羽包上皮および肝臓内のリンパ様細胞におけるMDV1 ICP4遺伝子の転写はRT-PCR法を用いて確認された. これらの知見から, digoxigenin標識cRNAプローブを用いたISH法がパラフィン切片上におけるMDV1 ICP4遺伝子発現細胞とその細胞内局在を検出するために有効であることが示唆された.
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Simoens Paul, De Geest Jean-Pierre, Lauwers Henri
1996 年 58 巻 10 号 p.
977-982
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ウマ(10頭), ロバ(2頭), ウシ(5頭), ヒツジ(5頭), ヤギ(10頭), イヌ(5匹), ネコ(5匹),ブタ(30頭)およびウサギ(2羽)の櫛状靭帯は実体顕微鏡と走査電子顕微鏡で観察された. ウマとロバの櫛状靭帯は非常に目立ち, 太い結合梁柱と比較的狭い梁柱間間隙で特徴付けられた. 反芻類の櫛状靭帯は比較的広い間隙で分けられた短い梁柱で形成された. 結果として有窓板を形成する隣接する梁柱の融合はこれらの種で常に認められ, 上および下限分節で特に認められた. イヌとネコの櫛状靭帯は広い梁柱間間隙で分けられる細い梁柱で形成されていた. ブタとウサギの櫛状靭帯の梁柱は短く, それらの直径は草食類と食肉類のそれらの中間であった. 櫛状靭帯の構造の正常な変異の臨床的な関連性と統一的な解剖学用語のための提案が検討された.
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島田 章則, 入江 眞美, 小嶋 聖, 小林 欣滋, 山野 好章, 梅村 孝司
1996 年 58 巻 10 号 p.
983-988
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
野外で飼育されているイヌの嗅覚路におけるメタロチオネインの局在を明らかにする目的で免疫組織化学的研究を実施した. その結果, 嗅粘膜嗅上皮内の支持細胞の核と細胞質の両者あるいはどちらか一方にメタロチオネイン陽性所見が認められた. しかし, 呼吸上皮内にはほとんど陽性細胞は認められなかった. また, メタロチオネイン陽性所見は嗅球皮質全層におけるアストロサイトに認められ, とりわけ糸球体周囲のグリア細胞で著明であった. メタロチオネイン陽性所見の程度は若齢の個体よりも成犬で強い傾向にあった. ノーザンブロット分析により, 嗅粘膜および嗅球にメタロチオネインmRNAの発現が認められた.
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花園 誠, 小澤 明仁, 安江 博
1996 年 58 巻 10 号 p.
989-994
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ビトロネクチン(Vn) cDNA (1555 bp) (D61396)をブタ肝臓のcDNAライブラリーより単離, その全塩基配列を決定した. それより推測されるアミノ酸配列を他種動物Vnと比較したところ, アミノ酸配列の相同性は低かったが, 細胞接着, ヘパリン結合, 糖鎖装飾, plasminogen activator inhibitor I結合等の他種動物Vnが持つ生物活性部位はよく保存されていた. さらに, Vn mRNA発現調節機構を知る手掛かりを得るため, 成長ホルモン(GH)投与を受けた4ヵ月齢去勢F1雄豚の肝臓および骨格筋中のVn mRNA発現量の維持的変動の解析を試みた. 肝臓中Vn mRNA量にはGH投与の影響は認められなかったが, 骨格筋中Vn mRNA量には変動の傾向が窺えた.
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小松 克, 山本 雅子, 滝澤 達也, 白井 明志, 有嶋 和義, 江口 保暢
1996 年 58 巻 10 号 p.
995-999
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
妊娠ラットを対照群, 副腎除去群, 副腎除去およびコルチコステロン投与群の3群に分けた. 母体の副腎除去は妊娠6日目に行った. 手術の日から観察時までコルチコステロンを母体へ投与した. 胎齢12日から16日のインシュリン産生B細胞の発達パターンを免疫組織化学的, 組織計測学的に検討した. 胎齢12日から15日において, 母体の副腎除去は, インシュリン陽性B細胞総体積の有意な減少を引き起こした. 母体へのコルチコステロン投与はこの減少を阻止した. しかしながら胎齢16日において, B細胞総体積は, 母体の副腎除去による抑制的な影響を受けなかった. これらの結果は, 副腎皮質ホルモンの欠如はB細胞の初期の発達において遅延を引き起こすこと, そしていったんB細胞が発達すると, その発達は副腎皮質ホルモンに依存しないことを示唆している.
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荒井 惣一郎, 小和田 友美, 竹花 一成, 三好 邦枝, 中西 宥, 林 正信
1996 年 58 巻 10 号 p.
1001-1006
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
X線照射によりニワトリヒナのファブリキウス嚢細胞に誘発されるアポトーシスについて, 誘発の時間的経過および線量依存性, さらにアポトーシス細胞の超微形態を調べるため, ふ化後1日以内のニワトリヒナにX線を全身照射後, 経時的にファブリキウス嚢を採取し, 光顕および電顕によりファブリキウス嚢の組織学的変化を調べた. 光顕による観察の結果, 8Gy照射後2時間以内にリンパ小節において核濃縮細胞の増加が認められ, その頻度は照射後6時間で最大となった. 核濃縮細胞の増加は1Gyの照射で認められ, 線量の増加とともにその頻度は増加した. 電顕により照射後のファブリキウス嚢には, クロマチンの異常濃縮, 核の断片化, アポトーシス小体の形成, およびこれらの異常を呈する細胞の貪食細胞による取り込みを示す像が多数認められた. さらに, X線照射後のファブリキウス嚢から抽出したDNAは, アガロースゲル電気泳動により梯子状パターン(DNAラダー)を示した. 以上の結果は, 比較的低線量の電離放射線によりニワトリヒナのファブリキウス嚢細胞は形態学的および生化学的に典型的なアポトーシスを起こすことを示している.
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林 子恩, 徐 慶霖, 山口 猛, 高木 昌美
1996 年 58 巻 10 号 p.
1007-1009
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
1994年に台湾の地鶏より2株のH. paragallinarum strains (39 & B株)が分離されDot-blot法を用いて血清型C (Serotype C)であると解明された. 菌の毒性及び病原性を調べるために台湾の地鶏に経鼻感染を行い, 感染後14日間観察した. 感染鶏には感染後24時間に鼻腔から大量の分泌液が認められた. 感染後14日間において地鶏に対する感染率はそれぞれ50-71.4%と55.6-77.8%であった. 実験期間における最高感染率は77.8%にすぎないが, 今分離された2株のH. paragallinarumは地鶏に対して病原性があると推定した.
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林 子恩, 陳 世平
1996 年 58 巻 10 号 p.
1011-1015
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
高病原性マレック病ウイルスを分離するために病鶏の血液および肝臓組織を1日齢幼雛の腹腔およびニワトり胚線維芽細胞に接種した. 結果として, 7株のマレック病ウイルスが分離された. これらの7株は培養細胞への細胞変性効果および間接蛍光抗体法の結果に基づいて3血清型に分類された. LTB-1, -2, -3とLTS-1, -2株は血清型1型, LTB-4株は血清2型, LTB-5株は血清型3型であった. LTB-1株を実験的に採卵用とブロイラーのヒナに接種したところ, 感染後2週間以内に高い初期死亡および5週齢に顕著な萎縮したリンパ組織が観察された. さらに, 1日齢にHVTワクチンで免疫し, 10日齢にLTB-1株で攻撃されたニワトリには攻撃後2週以内の高い初期死亡および10週目までにリンパ組織のマレック病病巣が認められ, HVTによるワクチン効果が認められなかった. これらの実験結果によりLTB-1の病原性は高病原性マレック病ウイルスと同様であり, 本報告により台湾において初めて高病原性マレック病ウイルスが分離同定きれた.
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山手 丈至, 田島 正典, 渋谷 一元, 桑村 充, 小谷 猛夫, 佐久間 貞重
1996 年 58 巻 10 号 p.
1017-1020
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
起こり得る細胞変化を検討するために, ラット悪性線維性組織球腫(MFH)に由来する未分化間葉系細胞(MT-8)及び線維組織球様細胞(MT-9)を, リポポリサッカライド(LPS; 10μg/ml)含有培地で培養することによりMT-8L及びMT-9L細胞を誘導した. MT-8L及びMT-9L細胞では組織球特異酵素に対する陽性率が有意に増加し, 組織球様の微細構造を示した. また, MT-8L細胞では, a-平滑筋アクチン陽性の筋線維芽細胞様細胞の数が有意に増加した. MT-8L細胞は組織球と筋線維芽細胞の双方の性格を表出した. MT-8L誘発腫瘍はMFHのストリフオーム型から主に成る組織像を示し, 未分化肉腫型を示すMT-8腫瘍とは異なっていた. MT-9LとMT-9腫瘍は, ともにストリフォーム型の像を呈した. LPS処理によりMFH細胞の表現型の変化がたやすく誘導された.
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伊東 登, 菊池 直哉, 平棟 孝志
1996 年 58 巻 10 号 p.
1021-1023
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
白色レグボン鶏を2群用い, 胸筋にSalmonella Typhimuriumを接種した. 1群には接種後24時間から96時間にアミカシンを9時間毎8回投与し, 1群は無投与とした. 両群とも接種後96時間にアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとクレアチンキナーゼの顕著な増加, アルカリホスファターゼ, 総コレステロール, グルコースの減少を認めた. アミカシン投与と非投与の間には血液生化学検査の有意差はなかった. 本研究結果は, 鶏のサルモネラ感染症や治療中の血液生化学検査の研究の基礎資料となると思われた.
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廣田 順子, 臼井 玲子, 佐藤 卓朋, 池本 卯典
1996 年 58 巻 10 号 p.
1025-1026
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ネコ染色体上におけるTelomereの位置を, ヒト由来のいわゆるAll Human Telomereをprobeとして, Fluorescence in situ hybridization method (FISH)によって検出した. その結果, 末梢血リンパ球培養法による培養細胞の中期分裂像の末端部にTelomereのスポットは観察された. Telomereは全染色体に観察された. しかし, 蛍光強度は, 相同間で異なる染色体も認められた.
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品川 邦汎, 上野 泰照, 胡 東良, 上田 成子, 杉井 俊二
1996 年 58 巻 10 号 p.
1027-1029
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
「嘔吐型」食中毒由来セレウス菌の産生するHEp-2細胞空砲化変性因子(セレウリド)は, スンクスの静脈および腹腔内投与により嘔吐と同時に, 致死活性を示すことが明らかになった. さらに, 致死活性はマウスでも認められた. 本因子の嘔吐および致死活性は, 121℃, 15分の加熱, pH 2および11, およびトリプシン, ペプシン酵素などの処理によっても失活されなかった. これらの結果から, セレウリドは消化管内でも安定であり, 嘔吐を引き起こし, さらに, 細胞障害などによる致死活性を示すものと考えられる.
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望月 学, 伊東 輝夫, 山田 裕, 廉澤 剛, 西村 亮平, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
1996 年 58 巻 10 号 p.
1031-1035
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
蹄底潰瘍と診断された乳牛8頭の計48蹄について病理組織学的検索を行い, 真皮層の循環障害と表皮層の角化障害の程度を指標に5段階分類を行った. 無作為に選んだ乳牛の蹄の結果と比較すると, 全蹄のグレードは有意に高度であり, 蹄底潰瘍に罹患していない蹄だけに限ってもその傾向は変わらなかった. 後肢外側蹄は他の蹄に比べて著しく高度に傷害されていたが, 他の蹄の間にはグレード分布の有意差は認められなかった. この結果から蹄底潰瘍に罹患した乳牛には全蹄を侵す全身的な要因が存在することが示唆された.
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島田 章則, 柳田 真紀, 梅村 孝司, 塚本 俊一, 菅沼 常徳
1996 年 58 巻 10 号 p.
1037-1038
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
右前肢の数週間の版行・疼痛を主訴とした1歳の犬の前肢のX線検査により, 上腕骨遠位端に骨嚢胞の形成を認めた. 病巣は肉眼的に結節状を呈しており, 組織学的には広範な出血巣, 豊富な線維性梁柱, 血管肉腫腫瘍組織および様々な程度に拡張した血管から成っていた. これらの所見から, 本骨嚢胞は血管肉腫に続発した動脈瘤性骨嚢胞と診断された.
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Park S-C, Yun H-I, Oh T-K.
1996 年 58 巻 10 号 p.
1039-1040
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
ヒラメにおける酢酸ノルフロキサシン・グリシン(NFXGA), 新しく製剤されたノルフロキサシン, の薬物動態学を二つの異なる海水温度(12℃と20℃)で検討した. NFXGAは10 ppmと100 ppmの濃度で本剤を含有する海水に魚体を浸清する方法で投与した. ノルフロキサシンのヒラメ体内濃度が半減するのに要する時間(T
1/2)は, 20℃の時は, 10ppmで13.95±1.18時間, 100ppmでは11.71±1.32時間であり, 12℃の時の10ppmで16.61±1.47時間, 100ppmでは16.32±1.19時間に較べて有意に短かった. 平均体内残留時間(MRT)は12℃の時は, 10 ppmと100 ppmでそれぞれ194.87±29.88時間と1,222.37±161.45時間であった. そして, 20℃の時はそれぞれ168.42±25.85時間と606.14±122.75時間であった. 組織分布に関しては, 血漿, 筋, 腎そして肝でそれぞれ半減するのに要する時間は異なっていた.
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San Gabriel Maria Concepcion S., 遠矢 幸伸, 望月 雅美
1996 年 58 巻 10 号 p.
1041-1043
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
ジャーナル
フリー
断続的な水様下痢を呈する成犬の便から猫由来細胞培養で増殖するウイルスを分離した. 本分離株Sapporo/283は犬力リシウイルスに対する抗血清では中和されなかったが, プラック減数中和試験と補体結合試験で猫カリシウイルス(FCV)に対する抗血清と交差したことから猫からの種間伝播の可能性もある呼吸器型のカリシウイルスと考えられた. さらに血清疫学的成績から犬のFCV感染は稀であろうと推察された.
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小島 明美, 高橋 敏雄, 木島 まゆみ, 荻窪 恭明, 田村 豊, 原澤 亮
1996 年 58 巻 10 号 p.
1045-1048
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
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我々は, 牛, 豚, 犬, 猫, 鶏及びミンク用のウイルス性生ワクチンについて, PCR法によるマイコプラズマ否定試験を実施した. 61品目の市販ワクチンのうち, 22品目(36.1%)からマイコプラズマのDNAが検出されたが, いずれの検体からも生菌は検出されなかった.
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山下 和人, 米澤 佳寿美, 泉澤 康晴, 小谷 忠生
1996 年 58 巻 10 号 p.
1049-1052
発行日: 1996/10/25
公開日: 2008/02/15
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ウマにおいて, メデトミジン10μg/kgの鎮静作用に対するアチパメゾールの桔抗効果を検討した. その結果, アチパメゾール20μg/kgでは桔抗作用に乏しく, 40μg/kgでは充分な桔抗効果を得られなかった. これに対し, 60μg/kgでは十分な効果が得られ, 80μg/kgにより迅速かつ効果的に鎮静状態を桔抗することができた. しかしながら, 100μg/kgでは80μg/kgを上回る効果は得られなかった.
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