1996 年 58 巻 11 号 p. 1053-1056
2種のウワバイン耐性ニワトリB細胞株(MuH1とMuH4)を, チミジキナーゼ活性欠損性の原株(R27H1とR27H4)からニワトリ単クローン抗体作成のための親株として樹立した。MuH1はμ鎖合成・非分泌であり, 一方, MuH4は非特異的IgMを分泌した. ヒトIgG免疫ニワトリ脾細胞とMuH1およびMuH4による融合で, ヒトIgGに特異的な単クローン抗体を分泌するハイブリドーマを作成した. R27H4を親株として用いた融合実験では, HATに非感受性の細胞の増殖がみられたが, ウワバイン添加HAT培地を利用したMuH1およびMuH4の両細胞株では, そのような細胞は認められなかった. クローニングにより樹立したハイブリドーマ8株(MuH1由来4株とMuH4由来4株)のうち7株はIgMとIgGを分泌したが, 残りの1株(MuH1由来ハイブリドーマ)はIgGのみを分泌した. なお, 8株のハイブリドーマより産生されたIgGはすべてヒトIgGに特異的であった.