1996 年 58 巻 11 号 p. 1117-1120
白線病および蹄壁疾患を発症した競走馬(1例)の両前肢蹄部を, 樹脂研磨組織標本および薄切標本により病理組織学的に観察したところ, 大量の真菌寄生が白線組織, とくに著しく障害されたTerminal Horn(終末角質)に集中して観察された. 真菌は, PAS陽性, 菌固有色は茶色, 角質組織内では隔壁をもった糸状菌様, 組織外では単細胞性胞子様を呈する特徴を有していた. これより,症例馬では, 白線組織に蹄真菌症が発症し, 白線病が進行したと考えられた.