Journal of Veterinary Medical Science
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青森県の一農場で認められたマスコビーダック(Cairina moschata)における家禽コレラの発病例
高橋 成一佐藤 久聡山田 隆弘竹之内 貴英沢田 拓士中野 克重斉藤 博
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1996 年 58 巻 3 号 p. 269-272

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抄録
1991年2月と5月に青森県の一農場で飼育されているマスコビーダックに跛行, 角膜白濁, 起立不能, 沈鬱を呈する疾病の連続発生があり, 6羽の死亡例中の5羽および8羽の発病例中の4羽から計9株のPasteurella multocidaが分離された. 分離菌株の血清型は, Heddlestonの1, 10, 12型, Namiokaの5:A, 8:A, 9:Aならびに9:UT型と同定された. これらの分離株は用いた12種類の抗生物質におおむね感受性であったが, うち6株はクロラムフェニコールにかなり抵抗性を示した. 9分離株のマウスにおけるLD50はD14-1株(血清型8:A)の101.0からD4-1株(血清型9:A)の105.3まで様々であった. マウスに対して最も毒力が高い株をマスコビーダックの筋肉内に103.3CFU接種したところ, 4羽中2羽が死亡した. 以上の成績から, 本例はマスコビーダックにおけるPasteurella multocidaの複数の血清型菌による家禽コレラの発病例であることが確認された.
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