Journal of Veterinary Medical Science
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イヌ肝結節性線維症-症例の形態学的研究
志賀 敦史代田 欣二信田 卓夫野村 靖夫
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1996 年 58 巻 3 号 p. 281-284

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抄録

8歳の雄のパピヨンに肝結節性線維症が発生した. この線維症は幅広い膠原線維帯, 紡錐形細胞およびリポフスチン含有泡沫マクロファージから成る線維性結節によって特徴づけられていた. 結節は境界明瞭で, 多くは門脈域と連絡していた. 紡錘形細胞はデスミンおよび/またはα-平滑筋アクチン陽性で, 伊東細胞ないし筋線維芽細胞と考えられた. これらの結果から紡錘形細胞およびマクロファージが本症の病理発生に重要な役割を果たし, 結節は門脈域から形成されることが示唆された.

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