可視化情報学会誌
Online ISSN : 1884-037X
Print ISSN : 0916-4731
ISSN-L : 0916-4731
水平チャネル内気液二相乱流の可視化
村井 祐一田坂 裕司大石 義彦
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 126 号 p. 19-22

詳細
抄録
水平チャネル流路に観察される気液二相流について紹介する.このテーマは特に乱流摩擦抵抗低減技術における基礎的物理メカニズムの解明において関心がもたれている.著者らはシリコンオイルによる気液界面の不純物影響を除去した実験や,水―空気系の高レイノルズ数条件での気液界面や液相乱流構造の可視化実験を行った.その結果,レイノルズ数が低く層流の場合は気泡群がスパン方向に配列し,乱流遷移したあとは主流方向に筋状模様をなすクラスタリングを見せた.また,このような気泡数密度の疎密波はボイド率の変動として観測され,それが大きい場合のほうが壁面摩擦抵抗の時間平均値が低下することがわかった.すなわち気泡による抵抗低減では,ボイド率の変動は邪魔なものではなく,むしろ歓迎されるべき現象である.この知見をもとに人工的にボイド率を変動させる実験を行うなど実験研究が展開を見せている.
著者関連情報
© 2012 社団法人 可視化情報学会
前の記事
feedback
Top