可視化情報学会誌
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ナノスケールにおける高効率流動の分子動力学
カノン ジェームズ塩見 淳一郎
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2013 年 33 巻 129 号 p. 14-18

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抄録
近年の合成,加工,および計測技術の進歩に伴い,ナノ構造の設計・制御を通じてマクロスケールの課題の解決を目指す研究が活発に行われている.熱流体工学分野における興味深い現象としては,カーボンナノチューブをはじめとするナノスケール空間内の高効率流動が挙げられる.このような現象の分子分離技術などへの応用に向けては,機構の詳細な理解および制御性の探究が必要であり,分子シミュレーションが重要な役割を担うと考えられる.本稿では,分子動力学シミュレーションを用いたナノスケールにおける流動特性の研究例をいくつか紹介する.はじめに分子動力学シミュレーションの方法論や特徴を簡単に概説した後に,可視化されるナノスケール特有の流動特性と,それを利用した工学応用の可能性について議論する.
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© 2013 社団法人 可視化情報学会
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