抄録
内田クレペリン検査中に計算が数秒間中断するブロッキングと呼ばれる現象が観察される。このブロッキングは、従来『注意の途切れ』が原因で発生すると考えられてきた。そこで、ボランティア2名を対象に視線追跡装置を装着した状態で内田クレペリン検査を実施し、計17回発生したブロッキング中の視線位置と行動を詳細に分析した。その結果、注意が途切れていると判定されたブロッキングは7回、注意が途切れていないと判定されたブロッキングは10回であった。さらに、ブロッキング中に観察された行動がブロッキングに特異的か否かを検証したところ、ブロッキングで特異的に観察される行動がほとんどであったが、ブロッキングで特異的に観察されない行動も存在した。さらに、141名を対象とした追跡調査も実施し、ブロッキング現象の経年変化も検討した。
なお、本研究は東洋大学倫理審査委員会で認可されたプロトコルに従い実施した。