2015 年 35 巻 139 号 p. 15-18
船舶の設計時には旋回などの操縦性の評価を行う必要があり,水槽試験で模型船に働く流体力を計測して操縦性の推定を行っているが,近年のCFD技術の発展により,操縦運動時の流体力評価も可能になりつつあることから,このCFD解析結果の妥当性を評価するための模型船周りの流場計測データが求められている.
筆者らは,ステレオPIVを船舶試験用水槽に適用し,模型船の周りの流場を詳細かつ効率よく計測できる手法を構築してきた.このPIV計測手法を操縦運動時にも適用し,旋回運動時の船体周り流れの把握と,CFD解析結果検証用の流場計測データの取得を試み,CFD解析との比較を行ったので,船舶水槽でのPIV計測の手法と共に紹介する.