本稿では画像情報を人間自身で視認するための可視化技術の動向を概観する.特に本稿では「画像情報の再構成によって観察可能となる知識」を可視化することを考える.ここでいう再構成とは例えば,静止画や動画を並べ替える,静止画や動画から高水準な情報を抽出する,といった処理を指す.本稿では,このような処理によって再構成された画像情報を可視化する各種技術について概観する.その中でも本稿では特に,画像中に写る人間の行動に焦点をあてていくつかの技術を紹介する.
また本稿の最終章では「今後の展望」として,画像情報の可視化が従来の可視化技術と概念的にどのように異なるのか,これを抽象化して議論すると今後の可視化研究にはどのような方向性が考えられるのか,といった点を論じる.