2017 年 37 巻 146 号 p. 2-7
ゲームなどの民生用のバーチャルリアリティ(VR)機器が急速に普及しており,これに伴いVR技術を用いた科学的可視化を利用することがこれまで以上に容易になってきている.しかしながら,一般的なPCモニタなどを用いた可視化に比べて,VR技術を用いた科学的可視化にどのようなメリットがどの程度あるのかは必ずしも明らかではない.これまでの一連の研究から,可視化データやタスクの種類によって没入型VRの効果が大きく異なることが分かってきた.また,交互作用が多く見られており,VRディスプレイの個々の特性について没入性の高いパラメータを選択することが常に最適ではなく,他の特性との組み合わせによって良し悪しが変化することも分かってきた.本稿では,様々な研究事例を通して,VRによる可視化のメリットについて議論する.