感圧塗料(Pressure-sensitive Paint: PSP)を用いた表面圧力場計測技術が風洞試験等における有望な熱流体計測ツールとして研究されている.PSP計測では,PSPが塗装された模型に励起照明を照射し,その発光強度をCCDカメラで計測する.一般にPSPは紫外線を照射すると赤色に発光し,その発光(燐光)強度は酸素消光によって変化する.空気中の酸素分圧は一定であるため発光強度の変化から圧力分布を計測することができる.しかし,PSPの発光強度は圧力と温度の両方の影響を受けるため,高い精度で圧力場を計測するためにはPSPの温度補正が不可欠である.PSP温度補正法の課題を解決する方法として,感圧塗料と感温塗料を使った複合計測による温度補正法が研究されている.本記事では感圧・感温複合塗料計測の最新研究の取組みを紹介する.