可視化情報学会誌
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バイオイメージ・インフォマティクスと可視化技術を統合したユーザー主導型データ探索
夏川 浩明尾上 洋介小山田 耕二
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電子付録

2020 年 40 巻 156 号 p. 29-33

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抄録

本稿では、顕微鏡により計測された細胞の時空間動態を自動的に計測するバイオイメージ・インフォマティクス技術により取得された線虫(C. elegans)の発生ダイナミクスのデータに対して,データ駆動型アプローチの促進を目指した視覚的分析の取り組みを紹介する。線虫の発生過程で現れる細胞の表現型特徴の関係性を示す表現型特徴ネットワークの探索システムや、表現型特徴と遺伝子ネットワークの横断的探索を支援し、生命科学分野における新規知見発見や仮説構築に資する視覚的分析システムを紹介する。これらの可視化システムは、実験データから構築されたネットワークに対して、専門家の知識や生物学データベース情報、ユーザー操作をもとにネットワークを絞り込み、生物学者が興味を持つ「検証可能な仮説」の導出を支援するインタラクティブな可視化システムであり、データ駆動型科学の基礎となるユーザー主導型のデータ理解を促進させる。

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© 2020 社団法人 可視化情報学会
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