2020 年 40 巻 159 号 p. 22-25
本論文は,コンクリート非破壊検査等を想定したマイクロ波による複素誘電率イメージング法において,レーダとトモグラフィ法を融合させる方法を導入する.具体的には高精度レーダ画像化法であるRPM(Range Points Migration)法により関心領域(ROI(Region of Interest))を事前推定し,未知数を飛躍的に削減することでトモグラフィ法における推定精度の改善を図る.またCSI(Contrast Source Inversion)法におけるコスト関数を利用したROI更新アルゴリズムを導入し,レーダとトモグラフィの双方向の処理により,ROI及び複素誘電率推定精度の両方を改善することができることを数値計算例によって示す.