2020 年 40 巻 159 号 p. 18-21
我々の視覚で捉えられる像は,大きく分けて物体の3次元形状,照明,反射特性から構成される.この3つの相互作用で網膜上に結ばれた像を通して,ぴかぴかしている,ざらざらしているなどといった視覚的質感が得られる.このような視覚的質感には反射特性が大きく関係している.反射特性とは,物体を介したときの入射光に対する観測光の比率を指す.この特性は,光の入射方向と観測方向によって変動する.このように,反射特性は多次元であるため,計測には時間を要する.しかし,高速な視覚的質感の計測が実現できれば,デジタルアーカイブ,生産・検査,映像制作など,幅広い応用分野において役立つ可能性が高い.しかし,計測時間がネックとなり,多くの場合は利用が困難であった.このような背景の下,本稿では高速な視覚的質感の計測に向けて,反射特性計測の回数を最小化しつつも,高い質感再現を達成することを目指した手法を紹介する.