持続可能な社会に向けて,遠隔コミュニケーションツールの拡充が望まれている.コミュニケーションでは,外見,視線,ジェスチャー等のソーシャルキューが重要な役割を果たす.3次元バーチャル空間でのアバターを介した対話は,従来のコミュニケーションツールと比べて,ツールを介して交換されるソーシャルキューが豊富で,リアルタイムに環境を操作・再構成できるため,今後の遠隔コミュニケーションツールとして有望である.バーチャル空間でアバターを介したコミュニケーションに影響を及ぼす要因は何で,それら要因がコミュニケーションにどう影響するのであろうか.この疑問を解き明かすために,東京都市大学総合研究所未来都市研究機構「VR×社会的交流の場の創生」研究ユニットが2020年に発足した.本稿では,これまでに実施した研究プロジェクトの中から、主に外見に関するソーシャルキューに焦点を合わせた4つの研究プロジェクトを紹介する.