2024 年 44 巻 169 号 p. 15-18
本稿では,我々が提案している新規セラミックス作製法である腐食合成法について述べている.本法は液相法の一種に分類され,そのプロセスには,金属腐食が使われている.腐食防食学では,主に機械や構造物を長持ちさせるための研究が行われている.その研究の中で,材料の寿命を縮める(腐食の進行を早める)条件が明らかになった.本法はそれを逆に利用する.すなわち,自発的に進む腐食反応を利用することでセラミックスを作製する.例えば,金属マグネシウムを塩化アルミニウムが添加されたエタノール中にて腐食させると,1473Kでの焼成によりマグネシウムスピネルが得られた.そのマグネシウムスピネルの粒子径は0.7μm~22μmであり,粒度分布の最頻値は3.6μmであった.マグネシウムスピネル作製を通じて,腐食合成法とゾルゲル法および固相反応法とを比較し,本法の特徴をまとめた.