血液透析治療で作成されるシャント(動静脈吻合)部は狭窄の頻発部位である.狭窄の治療にはその早期発見が重要となるため,非侵襲かつ簡便な狭窄検査法の開発に向けて,シャント音(血流音)が検査指標として着目されてきた.しかし,これまでの検査法研究開発においては,実用化に十分な検出精度が達成されていない.そこで本研究では,シャント音を用いる狭窄検査法の開発に向けた,シャント音の発生機序の解明を目的とし,シャント血管モデル内流れを粒子画像流速測定法によって調べた.シャント音源候補として着目した渦度強度変動の計測結果をスペクトル解析した結果,狭窄によって400 Hz以上の高周波スペクトルが,3~5 dB/Hz程度増大することが分かった.狭窄によって高周波スペクトルが増大する点について,渦度強度変動とシャント音響に同様の傾向が認められたことから,狭窄下流の渦度変動がシャント音の発生に寄与することが示唆された.