日本暖地畜産学会報
Online ISSN : 2185-1670
Print ISSN : 2185-081X
ISSN-L : 2185-081X
原著論文(一般論文)
ギニアグラスおよびセタリアの栄養価に及ぼす刈取間隔の影響
水町 進新城 健川本 康博仲田 正
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 1 号 p. 17-26

詳細
抄録

刈取間隔の違いがギニアグラスおよびセタリアのin vitro乾物消化率および窒素含量に及ぼす影響を検討し,栄養収量の観点から適切な刈取間隔についての検討を行った.両草種の窒素含量およびin vitro乾物消化率は刈取間隔を20日から70日まで延長するに伴い低下した.窒素含量はいずれの処理区も夏季に低下したのに対し,in vitro乾物消化率は季節変動が比較的小さいものの,刈取間隔を延長すると夏季に著しく低下した.重回帰分析の結果,栄養価変動の主要因は刈取間隔であることが示された.年間合計窒素収量は刈取間隔の延長に伴い低下する傾向であった.年間合計可消化乾物収量は,ギニアグラスでは30-40日刈で,セタリアでは50日刈でそれぞれ最大で,それ以上の刈取間隔の延長に伴い減少した.夏季における刈取間隔の延長は栄養価の低下を助長するため,夏季の適切な刈取間隔は両草種ともに40日以内が望ましいと示唆された.

著者関連情報
© 2009 日本暖地畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top