2009 年 52 巻 1 号 p. 17-26
刈取間隔の違いがギニアグラスおよびセタリアのin vitro乾物消化率および窒素含量に及ぼす影響を検討し,栄養収量の観点から適切な刈取間隔についての検討を行った.両草種の窒素含量およびin vitro乾物消化率は刈取間隔を20日から70日まで延長するに伴い低下した.窒素含量はいずれの処理区も夏季に低下したのに対し,in vitro乾物消化率は季節変動が比較的小さいものの,刈取間隔を延長すると夏季に著しく低下した.重回帰分析の結果,栄養価変動の主要因は刈取間隔であることが示された.年間合計窒素収量は刈取間隔の延長に伴い低下する傾向であった.年間合計可消化乾物収量は,ギニアグラスでは30-40日刈で,セタリアでは50日刈でそれぞれ最大で,それ以上の刈取間隔の延長に伴い減少した.夏季における刈取間隔の延長は栄養価の低下を助長するため,夏季の適切な刈取間隔は両草種ともに40日以内が望ましいと示唆された.