宮崎県内の黒毛和種繁殖牛飼養農家において,無処理の杉ノコクズを主要な粗飼料とする飼養法が普及しつつある.本研究では,この飼養法におけるノコクズの栄養的機能を検討するため,まず消化率の測定を行った.その結果,ノコクズはほとんど消化されなかったので,粗飼料因子(RVI)の確保にのみ機能していると考えられた.そこで,ノコクズの給与量を減ずることが可能であるかどうかを検討するため,ノコクズを一般的な給与量である3 kgから2 kgに減じた場合について調査した.その結果,ノコクズの給与量を減じてもRVIは十分に確保され,ルーメン液性状,血液性状についても特に問題はなかった.