日本暖地畜産学会報
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原著論文(一般論文)
哺乳期の代用乳増給がホルスタイン種去勢牛の育成および肥育成績に及ぼす影響
神谷 充松崎 正敏服部 育男林 義朗常石 英作神谷 裕子鈴木 知之田中 正仁佐藤 健次
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キーワード: 子牛, 去勢牛, 代用乳, 哺乳, 肥育
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2011 年 54 巻 1 号 p. 107-116

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抄録

哺乳期の代用乳増給がホルスタイン種去勢牛の育成および肥育成績に及ぼす影響について調べた.ホルスタイン種雄子牛6頭(3日齢)を対照区と試験区に配置し,対照区は3から41日齢まで代用乳を1日当たり400から500 g,試験区は3から55日齢まで代用乳を1日当たり600から1,200 g給与した.離乳後の給与飼料の種類および給与量設定は対照区と試験区で同様にした.その結果,哺乳期間中は試験区で代用乳摂取量が多く,人工乳摂取量が少なかった.哺乳期間中は試験区でTDNおよびCP摂取量が有意に多く(P<0.05),1日当たりの体重,体高,管囲の増加量は有意に高い値となった(P<0.05).育成および肥育期間中の飼料摂取量,1日当たりの体重,体高,管囲の増加量に影響を及ぼさなかったが,哺乳期間終了時(8週齢時),育成期間終了時(12週齢時),肥育前期終了時(10ヵ月齢時)の体高は試験区で高い傾向にあった.試験区の飼料効率は哺乳期間中で有意に高く(P<0.05),育成期間中で有意に低く(P<0.05),肥育期間中は対照区と同じであった.試験区のと畜時(20ヵ月齢時)の枝肉重量は,対照区よりも35 kg重かったが,有意差は認められず,枝肉成績にも影響はなかった.以上の結果より,哺乳期の代用乳増給はホルスタイン種雄子牛の増体を促進し,肥育前期までの体高を大きくするが,肥育成績や枝肉成績に影響を及ぼさないことが分かった.

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© 2011 日本暖地畜産学会
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