日本暖地畜産学会報
Online ISSN : 2185-1670
Print ISSN : 2185-081X
ISSN-L : 2185-081X
原著論文(一般論文)
ソルガム属(Sorghum spp.)数品種における乾物収量, 栄養価と青酸化合物(HCNp)含量の生育に伴う推移
今井 裕理子加藤 翔赤嶺 光川本 康博
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 57 巻 1 号 p. 23-30

詳細
抄録

ソルガム属数品種の乾物収量,栄養価と青酸化合物(HCNp)含量の推移から利用適期を検討し,併せて追肥の影響を調査した.遺伝型の異なる4 品種(Gs,Fs,Bs,Ss)を用い,無追肥区(100 kg N/ha)と追肥区(150 kg N/ha)を設けた.発芽後から2 週間毎に,収量,栄養価とHCNp 含量を調査した.12週目の乾物収量は4 品種間で8.9-15.6 t/ha,IVDMD は40.0-56.4%,可消化乾物収量は4.1-8.0 t/ha,CP は3.9-5.0%,HCNp 含量は11.0-30.4 ppm の範囲にあった.Gs とFs は12 週目まで栄養収量が増加したが,Bs とSs は8 週目以降ほとんど増加がみられなかった.また全品種で追肥による増収効果が示唆された.HCNp 含量から,発芽後4-6 週目以降,草高1 m 以上で安全に利用できると判断されたが,追肥後は3 週間程度利用を避けることが望ましいと考えられた.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top